迷走する日銀総裁人事 なぜ武藤氏では駄目なのか
日本銀行の新総裁を巡って、与党と野党が対立している。
政府は、総裁に元財務事務次官の武藤敏郎副総裁、副総裁に伊藤隆敏・東大大学院教授と白川方明(まさあき)・京大大学院教授を充てる案を提出したが、野党が武藤総裁案に猛反発。結局12日の参院本会議で、白川さんを除く、武藤、伊藤案は否決された。
翌13日の与党が多数を占める衆議院本会議では3人が同意されたが、両院で同意のあったのは白川さんだけという結果になった。このため総裁が空白になった場合は白川さんが総裁の職務を代行することになる。
武藤さんは、もともと財務省の人間で、旧大蔵省、財務省を通じ戦後最も長い2年半の間、同省の事務次官を務めた。その後、福井俊彦総裁のもとで日銀副総裁を5年務め、早くからポスト総裁だと目されてきた人物だ。ではなぜこんな事態に陥ったのか。
野党が反対する理由は3つある。
第1の理由は、武藤さんが財務省出身であることを民主党では問題視して、「財政と金融の政策分離の原則に反する」ことを理由に反対しており、社民、共産両党もこれに同調している。
日銀というのは、財務省からも政治からも独立しなければならないのに、財務省出身の武藤さんが総裁になるということは、財政、つまり、財務省からの独立ということに反する、という主張だ。
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