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拉致問題をどう考えるか

アメリカが北朝鮮に対する敵対政策を止めて、近づいたことで、北朝鮮は自信を持つようになってきた。自信を持って、有利にはなってきたのだけれども、やはり日本のカネには期待している。自信を持ち始めた北朝鮮は、日本との交渉に対する態度も変わってきており、3年前とは違う意味で前向きになっていると思う。

交渉としては、日本は3年前の方が有利な立場にあった。あれを突っぱねてしまったというのは日本の国内政治の問題だった。

もしアメリカが先に北朝鮮との国交正常化を実現したら、これは大変な問題だ。アメリカは日本に金を出してやれと言うだろう。

レアメタルは、コンピュータを作るのにも何をするにも必要なもので、北朝鮮にしかない。だから多くの白人が北朝鮮に集まってきている。ここに大きなビジネスチャンスがある。北朝鮮が各国との貿易をますます盛んに行うようになれば、日本の経済援助の相対的な価値は下がる。

日本も、政治は政治、拉致は拉致、しかし、ビジネスはビジネス、というようにやるべきだ。EUやアメリカはすでにそうしている。

現在、164カ国が北朝鮮との国交正常化を実現しており、残っているのは20数カ国だけだ。日本から見ると北朝鮮が孤立しているように見えるが、実は全然孤立などしていない。国交正常化していない国の方が孤立しているのだ。

日本はもっと危機感を持つべきだ。これで、アメリカが国交正常化を実現すれば、日本は世界の大勢から取り残されてしまうことになるのだ。

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。1987年から「朝まで生テレビ!」、1989年からスタートした「サンデープロジェクト」のキャスターを務める。新しいスタイルのテレビ・ジャーナリズムを作りあげたとして、1998年、ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞。また、オピニオン誌「オフレコ!」を責任編集。2002年4月に母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたっている。

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