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北朝鮮問題で改めて問う日本の国益と拉致と核

2007年11月15日

「サンデープロジェクト」の取材で北朝鮮に行った。小泉純一郎首相(当時)が二度目の訪朝をした後に、僕も拉致問題の取材でピョンヤンへ行っているので、今回が二度目の北朝鮮訪問となる。

最初の訪朝から3年。その間に、核実験、ミサイル実験などが行われ、世界の中の北朝鮮の立場が非常に悪化した。その結果、6カ国協議が始まり、アメリカは北朝鮮に対して怒り、憤りを示していた。核に対する恐怖もあったはずだ。アメリカは北朝鮮をイラクとともに「悪の枢軸」として名指しするなど、完全な敵視政策をとっていた。

北朝鮮に急接近するアメリカ

ところが、去年の暮れくらいから今年にかけてアメリカの態度がぐんぐん変わっていった。今、恐るべき勢いでアメリカは北朝鮮に接近している。北朝鮮の資金を預かっていたマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)は、核実験に対する制裁で完全凍結していたが、それも解除してしまった。

核の脅威をなくせば100万トンの重油を提供すると5カ国で決めていたのだが、私が北朝鮮にいる間に、なんとその重油の提供も始めてしまった。日本は拉致問題の交渉が暗礁に乗り上げてしまったため、日本以外の4カ国、アメリカ・ロシア・中国・韓国で協議を始めてしまった。韓国はすでに5万トンの重油の提供を始めており、4カ国は残りの95万トンに相当する金額の経済援助を決めている。

おそらく今年中にアメリカはテロ支援国家から北朝鮮を外すだろう。

このように、アメリカは恐るべき勢いで北朝鮮に接近している。

むしろ、日本を除く4カ国が重油や経済援助を始めている今、拉致問題で交渉が滞っている日本は蚊帳の外に置かれてしまう可能性がある。日朝関係は3年間凍結・停滞したままで動きがないが、世界は動いているのだ。

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