北京オリンピックに思うこと
(田中 秀征=福山大学教授)
北京オリンピックがようやく終わった。寂しいとも思うがありがたいという気持ちもある。
というのは、本の執筆に専念する予定の期間が、ちょうどオリンピックに重なってしまった。テレビのオリンピック中継に目が釘付けとなり、筆が一向に進まなかったからだ。
開催2年前まで盛り上がらなかった東京五輪
ところで、日本選手団の成績は金メダルが9個。アテネの16個に比べると少ないが、私は前回に負けないほど頑張ったと思っている。
終盤の野球とソフトボールは対照的な結果に終わったが、ソフトボールの金メダルの感動が大きかったので、差し引いても歓びのほうが大きい。
こうした結果となったのは、やはり「ハングリー」の度合いが野球よりもソフトボールの方が強かったのだろう。練習環境が整っているからといって勝てるわけではない。むしろ逆の場合が多いかもしれない。いくらデータを集め科学的な(?)練習をしても、必死な人や国に勝つことは難しい。
考えてみると、政治の世界、経済の世界でもまた他の分野でも大きな事業を達成した人にはハングリーな人が多かった。
私は、国中が1964年の東京オリンピックに向かって盛り上がっていく中で学生生活を送った。だが、開催の2、3年前まで、それほど国民の関心は高くなかったと記憶している。
いわゆる“60年安保紛争”などで、少なくとも2年前の62年まではオリンピックどころではなかった。
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