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イラク政策:自衛隊は即撤退、ブッシュ氏は国連に駆け込め

2007年6月28日

(田中 秀征=福山大学教授)

国会は、重要法案を成立させるため12日間延長された。それに伴い参議院議員選挙の投票日も7月29日へ1週間引き延ばされた。

この間、自衛隊のイラク派遣を2年間延長する改正イラク復興支援特別措置法が、政府の十分な説明がないまま、6月20日、参議院で可決・成立した。

昨年7月、陸上自衛隊はイラクから撤退。その後航空自衛隊が輸送活動を行っている。「イラク特措法」はこの7月末で法律の期限が切れる。今回の改正は、この業務を8月以降も継続するための措置だ。

日本はイラクから、“米国寄り”と見られている

私は以下のような諸点を考えて「イラク特措法」の延長には賛成できない。

1)既にイラク戦争が間違いだったことが広く認識されている。日本はこの戦争を「支持」した。だから戦争に中立的であった国と比べれば、イラク人からの目が違う。治安が良くなり、生活が上向けば別だが、そうならなければ、イラク人の恨みや憎しみが前面に出てくる。日本がイラク戦争に、「支持」ではなく「理解」程度の対応をしていれば、自衛隊の活動は格段に歓迎され危険も少なかった。

2)復興支援と言いながら、現実にはそうなっていない。

「防衛省によると、昨年7月以降の輸送回数は計150回、物資総重量は46.5トン。このうち国連の輸送支援(昨年9月〜今年3月)は25回にとどまり、米軍を中心とする多国籍軍関係が大半だ」(毎日新聞 6月21日)

これではとても復興人道支援とは言えない。国民や自衛隊員をだましていると言われても仕方がない。

3)どうやら心配した通り、イラクへの自衛隊派遣は「イラクのため」というより「米国のため」となっている。

そうすると、いずれ“内戦”が激化すると、自衛隊は反米武装勢力の標的になることが避けられない。

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