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親米派の欧州首脳がブッシュ大統領に方針転換を迫る

ブッシュ政権を方針転換させたのは、イラクでの失敗と、国内世論だと言ってもよい。

ブッシュ大統領は、出口の見えないイラク状勢を抱え、国際協調の流れに乗らざるを得なくなった。とりわけ、イラク戦争で生じたEUとの亀裂は深刻。この問題でEUと対立すれば、一段とその亀裂を深めることになる。

頼みのブレア英首相も「2050年までに温室効果ガスを大幅に削減するための道筋をつけることは可能だ」と語っている。親米派のサルコジ仏新大統領も「米国は地球温暖化の戦いを妨害すべきではない」と強く牽制した。

同じく親米派のメルケル独首相も、この問題では強硬で、しかも今回のサミットでの議長を務める。ブッシュ大統領は、サミット開幕前に「ポスト京都でメルケル首相と協力する強い希望を持っている」とエールを送らざるを得なかった。

非協力的な姿勢は、次の大統領選で共和党を不利にする

もしも米国が、「京都議定書」のときのような非協力的な姿勢を今回も続ければ、「価値観を共有」しているはずの西欧諸国や日本からの大きな反発を招く。そればかりか、必ずしも価値観を共有していない中国やインド、途上国と“共闘”するハメに陥る。

メルケル首相は、米国が提唱した主要排出国15カ国の国際会議を合意内容に盛り込んで米国の顔を立てた。やはり、この問題では、第1位の排出国である米国の主導的役割が必要だからだ。

EU諸国との関係以上にブッシュ政権に影響を与えたのは米国世論かもしれない。米国では、異常気象の農業への影響やハリケーンなどによって、地球温暖化問題に対する認識が急速に深まっている。ニューヨークやカリフォルニアのような大きな自治体の取り組みが政府に先行するようになった。来年の大統領選挙を控え、軍事優先と見られることは共和党にとって得策ではない。

米国の変身が中国を動かした

米国の変身は当然中国やインドをあわてさせた。国際社会の非難の声は残された非協力的な国に集中していく。

中国にとってそれは最も避けたい事態である。胡錦濤主席も安倍首相との会談で「日本の提案を真剣に検討する。協力を強化していきたい」と言明した。

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