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安倍首相は、集団的自衛権より環境温暖化問題に政治生命を

2007年6月14日

(田中 秀征=福山大学教授)

ドイツ北部のハイリゲンダムで開かれたG8サミットは、3日間の会議を終えて6月8日に幕を閉じた。

近年のサミットは単なる外交ショーのようになっていて、大騒ぎするわりには成果が乏しかった。しかし、“環境サミット”と化した感のある今回のサミットは、久しぶりに意義のあるものとなった。

最大の成果は、言うまでもなく、G8が世界の温室効果ガスの排出量を「2050年までに半減させることを真剣に検討する」ことに合意したことだ。これは議長国ドイツをはじめとするEU諸国やカナダ、それにわが国政府の粘り強い努力が実ったもの。特に合意形成に先導的な役割を果たした安倍晋三首相には拍手を送りたい。

今回のサミットは、目前の参院選にも影響を与えるかもしれない。安倍首相に対する新しい期待と地球温暖化問題への世論の関心が選挙状況を変える可能性があるからだ。

批判は容易、しかし、合意の意義は大きい

さて、今回の合意を批判しようとするなら、材料は山のようにある。実際、現状の歩み寄りでは2050年までの半減は不可能に近い。半減といっても、その基準の年さえ示されなかった。それに“合意”は「真剣に検討する」ことに合意したに過ぎない。

ただ、最小限、地球の温暖化に対する危機意識や「2050年までの半減」の必要性については認識を共有できた。これは決して小さな成果ではない。出発点に立ったとは言えなくても、早急に出発点に立たねばならなことには合意が成立した。

もう米国も中国でもそっぽを向いてはいられない。これ以上この問題に非協力的であればサミットでの主導権を失う恐れも出てきた。

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