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渡辺行革相、中川幹事長と一枚岩になって世論を味方につけよ

この困難な仕事を達成するためには、次のことに深く留意する必要がある。

  1. 首相は、機会あるごとに「基本方針」を明言すること。閣議、国会はもちろん、国民向けインタビューでも言い続けること
  2. 首相、渡辺行革相、塩崎恭久官房長官、中川秀直・自民党幹事長の4人は、強固な一枚岩となって突進すること
  3. 国民世論を味方につけること。この問題では、「世論のほかに味方はない」ことを決して忘れてはいけない

既に「新・人材バンク」には、省庁の人事担当者が関与するという報道もある。これでは「骨抜き」も「背骨抜き」になる。そういう手の込んだ「見せかけの改革」では世論が猛反発するだろう。

幸い、この問題では渡辺行革相と中川幹事長にかなり熱意があり、また非妥協的に見える。首相はこの2人をとことん援護することが大切だ。

国会では、族議員、官僚出身議員、閣僚経験者などが、抵抗の主力部隊を構成する。かってない強い抵抗だが、これも首相が世論の支持を得れば必ず弱まっていく。首相も「小泉政局」でそれを学んでいるはずだ。

天下りが見えないところで政治や行政をゆがめている

天下りの弊害は、「官製談合」や「耐震強度の偽装」などに如実に表れている。官僚の不祥事のほとんどが「天下り問題」に発していると言ってよい。近年、世論の厳しい目はこの1点に集中している感がある。

今回の天下り規制が基本方針通り実現しても、それはほんの一歩に過ぎない。そもそも税金を使って再就職をあっせんする必要があるのかも疑問である。

官僚や官僚OBは、天下り規制をすると、「優秀な人材が集まらない」と口癖のように言う。しかし、自分で職を探せない人のどこが優秀なのか。民間人はたいへんな苦労をして職を探しているではないか。

私は官僚が企業や政界、あるいは学界に転出することが悪いとは思わない。悪いのは省庁が権力を背景に組織的にあっせんを行うことだ。それによって生じた「貸し借り」によって、見えないところで政治や行政がゆがめられることになる。

本当に優れた人材なら、役所があっせんしなくても再就職先は引く手あまただろう。「省庁の関与が残るか」と、「2年以内に新・人材バンクに移行するか」、この2点を厳しく注視しよう。

田中 秀征(たなか・しゅうせい)

1940年長野県生まれ。東京大学文学部西洋史学科、北海道大学法学部政治学科を卒業。83年衆議院議員に初当選。93年6月に自民党を離党して新党さきがけを結成、代表代行。自民党時代は宏池会(宮沢派)に所属。細川政権の発足に伴い首相特別補佐。第1次橋本内閣で経済企画庁長官。現在、福山大学教授。「民権塾」主宰。

最近刊の「判断力と決断力」(ダイヤモンド社)をはじめ、「日本リベラルと石橋湛山」(講談社)、「梅の花咲く 決断の人 高杉晋作」(講談社)、「舵を切れ 質実国家への展望」(朝日新聞社)などの著書がある。

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