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天下り問題は郵政改革以上の抵抗、首相は世論を味方に

2007年3月22日

(田中 秀征=福山大学教授)

「天下り問題」が終盤国会での大きな焦点に浮上してきた。

安倍晋三首相は3月16日、国会公務員の再就職のあっせんについて、経済財政諮問会議で「各省によるあっせんはなくし、機能する新・人材バンクに一元化していくことが必要」との基本方針を言明。渡辺喜美・行政改革担当相に、そのための法案化を指示した。

政府は20日、国家公務員法改正案の骨子を各省庁に提示。それによると、天下り先での口利きなど不正行為には最高で懲役3年の重罰を科すことにしている。同日の閣僚懇談会で、首相は、「私の方針に従い早期の法案化に向けて一致協力していただきたい」と、省庁の意向に従いがちな閣僚にあらためてクギを刺した。そして、渡辺行革相には、先送りされている「新・人材バンク」の基本原則を27日までにまとめるよう指示した。

もしも、この問題で、首相が基本方針通り突き進めば、低落を続ける内閣支持率に歯止めをかける起死回生の一打となることは間違いない。首相もそれを承知しているのだろう。

官僚による激烈な抵抗が予想される

国家公務員の再就職をあっせんする「人材バンク」は既に2000年4月に総務省内に設置されている。しかし全く機能していない。職員は3人で、再就職あっせんの実績はわずか1件にすぎない。はなはだしい税金の無駄使いだ。

今回は、省庁によるあっせんを全廃して、「新・人材バンク」に一元化する。問題点は、「これからも各省庁が関与するのか」と「この制度をいつから導入するのか」という点にしぼられている。これが27日に渡辺行革相から提示されるのだ。

言うまでもなく、この問題に関する霞ヶ関官僚の抵抗は郵政改革の比ではない。手を変え品を変えてその「骨抜き」に全力を挙げるだろう。特に政治家を使っての抵抗は激烈をきわめることになる。

もしも、意外なほど抵抗が少ないとしたら、それは法案作成段階で妥協を重ねて「骨抜き」が既に終わっているからと見てよい。「懲役3年」の重罰は、単に厳しさを装うだけの飾りになる。

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