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「民意はおおむね正しい」愛知知事選に見る民意の確かさ

2007年2月8日

(田中 秀征=福山大学教授)

注目された愛知県知事選と北九州市長選は、与野党1勝1敗の痛み分けに終わった。

民主党など野党は、選挙後も審議拒否を続ける備えであったが、週明けに一転、国会審議に復帰した。これは当然の判断である。選挙後の世論調査では、野党の審議拒否に対する反発が驚くほど高く、振り上げたこぶしを降ろさざるを得なくなったのだろう。

一方の与党側は、「女性は産む機械」発言の柳沢伯夫厚労相を続投させようとしている。

確かに一時より柳沢発言に対する反発はやわらいだものの、これで一件落着というわけにはいかない。大きな氷がとけるように、自民党や内閣の支持率が落ち込んでいくことは避けられない。おそらくこの問題で安倍内閣は10%近い支持率の低下を覚悟しなけれなならないだろう。

民意をおそれた故後藤田正晴氏

自民党の舛添要一参院政審会長は2月5日、柳沢大臣を続投させる安倍晋三首相を「官邸は民意に鈍感、裸の王様だ」と痛烈に批判、党内のホンネを代弁した。

安倍首相もできれば辞任させたいに違いない。ただ、それがきっかけとなり、事務所経費で問題となっている閣僚が次々と辞任に至るドミノ現象を恐れているのだろう。言ってみれば、内閣が「崩壊」する道ではなく「衰弱」する道を選んだのだ。

「民意に鈍感」と言えば、思い出す人がいる。かつて故・後藤田正晴氏が、私にこんなことを言ったことがある。

「日本人は個人のレベルでは、いろいろ変わった意見を言うが、マスとしての日本人はきわめて正しい判断をする」

要するに後藤田氏は、民意はおおむね正しいと言ったのである。

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