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防衛省による自衛隊の海外派遣は国連と民意の下とすべき

2006年12月7日

(田中 秀征=福山大学教授)

防衛庁の省昇格法案が今国会中で成立することが確実となっている。これで年明けには「防衛省」が発足する見通しだ。

同法案には、社民・共産の両党が反対。党内に賛否両論を抱えた民主党は苦悩の末、土壇場で賛成にまわった。まるで発車寸前のバスにあわてて飛び乗ったような感じであった。

民主党は賛成の条件として“シビリアン・コントロール(文民統制)の強化”などを主張したが、いかにも言い訳がましく迫力に欠けていた。

民主党がそれを言うなら、より明確に、具体的に言うべきだった。安倍晋三首相に党首会談を求めて強く訴える必要もあった。

今回の民主党の対応には、党内の複雑な事情がかい間見える。防衛省の発足は確実なのだから、反対すると政権の座に就いたときに困る。もちろん自由投票というわけにはいかない。賛否どちらかで結束しなければならないが、賛成派を敵にまわす方が亀裂が深まる。それに社共両党に同調していると見られることは得策ではない。思案の結果が今回の泥縄式の対応だった。

庁と省、どちらがシビリアンコントロールが機能するのか

私は防衛省への昇格には反対ではない。無理やり強行するほどのことではないが、昇格した方がプラスは大きいと考えている。

「防衛省への昇格は、国の右傾化路線、軍国化路線の一環」との見方が一部にある。しかしそれは55年体制の思考から脱しきれていない過剰反応と思われる。

要は、シビリアンコントロールを機能させるためにはどちらが望ましいかという観点で考えるべきだ。私は、国の防衛部門が、陰に隠れた存在であるより、内外にその存在感が明らかである方が、シビリアンコントロールが機能しやすいと考えている。

外務省の“持ち駒”から対等の関係へ

周知のように今までの防衛庁は、内閣府の外局として、外務省と比べて一段格下に置かれていた。そのため、外務省の意向とズレがあっても、最後は外務省に従わざるを得なかった。自衛隊はあたかも外務省が自由に使える持ち駒のように見えた。

それどころか、外務、防衛当局の意見の違いさえ国民には知らされなかった。北朝鮮への制裁をめぐる「周辺事態の認定」についても、双方に隔たりがあると伝えられるものの、その内容は一向に明らかになっていない。

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