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研修生・技能実習生問題、中国政府は労働者の立場に立って解決を

2008年10月6日

前回の当コラムでも取り上げた「日中双方の会社が山梨県で繰り広げた中国人女工哀史」は、中国国内だけでなく、世界中の華人社会や、事件の発生地である日本にも強烈な衝撃を与えた。中国中央電視台(CCTV)も数回ゴールデンタイムにこの事件を報道する特集番組を放送し、新華社通信や中国新聞社通信は随時この事件に関する最新ニュースを配信している。事件を採り上げなかった中国のメディアが見当たらないほど集中豪雨的な報道ぶりを見せた。今どきこのような雇用体系が日本と中国に存在すること、およびそのような状態を日中両政府とも今まで取り締まってこなかったことに中国国民が意外に感じている。

インターネット時代である今日、情報の伝達速度と伝達範囲はある程度予想していた。しかし、それでも私のコラムの反響を見てやはり驚きを禁じえない。現代の文明の利器が情報伝達に及ぼす影響や私自身の取るに足らないわずかな知名度以外に、この事件が中国でこれほど反響を巻き起こした現象の裏には、おそらくより深い原因があるのではないかと思った。それは中国中央政府および事件の対象となった地域の地方政府が、政府にとって都合がよい話題でなくても、かつてのように報道の規制をしていないのではないかということだ。

この事件に関し、中国政府側も異例とも言える反応をしている。外交部報道官がこの問題に対する記者会見では2度も「日本側が中国国民の合法的な権益を守るよう望む」というコメントを出した。外国へ労働者を派遣する業務を管轄する商務部からも数度コメントが出ている。今回のコラムは、あえて中国側のより深い原因に焦点を当ててこの問題を分析したいと思う。

労使関係の矛盾は中国の社会経済の発展を拒む要因

いろいろな資料をあさっているうちに、中国労働法学研究会副会長で中国人民大学労働関係研究所所長である常凱教授が2006年10月に発表したレポートと出会った。これまで労使関係と労働法についての研究を続けてこられた常教授のこのレポートに、私がぼんやりと感じたその「より深い原因」がずばり指摘されていた。

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