日本の農業を支えているのは劣悪環境に耐え忍ぶ外国人研修生
前回、中国の食料輸出事情を取り上げたところ、日本の農業の自給率を高めるべきだといった意見が多く寄せられた。ほかのメディアでも、日本産農産品や日本製加工食品を食べようといった声がかなり出ている。そうした意見や声はごもっともだし、理解できると私も思っている。
しかし、同時に指摘しておきたいのは、現在の状況のもとで、日本の農業の自給率を高めること、または日本産農産品や日本製加工食品を食べようと呼びかけることは、ある意味、日本ですでに進行中の過酷な労働の現状をさらに深刻化させるということだ。アジアの国々に日本の先進的な技術を教えるという美名の衣に包まれた外国人研修生問題の現状に目を向けてほしい。
まず、ある外国人研修生の給与明細の内容を見ていただきたい。毎月の基本賃金は11万2000円だが、そこから家賃(5万5000円)や光熱費を引かれるばかりでなく、さまざまな費用が引かれている。リース代として、布団(6000円)、洗濯機(1500円)、テレビ(1800円)、流し台(500円)、調理器具(1000円)、ガス器具(1000円)、電気炊飯器(800円)、掃除機(1000円)、ファンヒーター(1000円)、そして浄化槽管理費(1000円)などの費用が引かれていく。給与明細の下の欄を見ると、1カ月働いた結果、研修生はかえって会社に2万円ほどの借金を作ってしまったことになる。
田舎のぼろアパートの一室に4〜5人が一緒に住んでいるのに、一人あたり5万円以上もの家賃を負担しなければならないとは驚きだ。流し台などのリース代の借金分は、結局研修生が身を削って残業して返すしかない。月に230時間もの残業をする研修生もいる。それを22日で割れば、毎日10.5時間もの残業を強いられているということになる。だが、日本に来ている外国人研修生が月に22日しか働かないということはない。ほとんどの研修生が30日間働いている。それでも毎日8時間近くの残業になる。では、残業代はいくらかというと、時給はたった300円だ。美しい日本のどこにこんな最低賃金基準があるのか。
農業研修生もほぼ同じ状況に置かれている。研修生は技術研修に来たのであって労働者ではない、という意見もある。実際、日本の大学生のインターンシップや実務訓練などでも、関西の大手電機メーカーに研修に行ったとしても1日にもらえる日当は数百円である。残業をしても残業代は出ない。研修最終日には、そこから会社の寮に入居した費用やまかないの食費を差し引かれる。最終的には自宅に帰宅する交通費も残らないという例は外国人研修生に限ったことではない。
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