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2007年11月から東京地区のローカルテレビ局で、中国中央電視台(CCTV)の経済番組の映像素材を再編集し、私の解説を加えて放送している。毎週日曜日の夕方6時15分からの短い経済番組「莫邦富のほっとBiz中国」だが、月に一回は中国ビジネスに力を入れている日本企業のトップをゲストに呼び、もうひとつの視点から中国経済を見ている。

番組スタート早々、中国の高齢化問題を取り上げ、中国が高齢化社会に突入したことを否応なく認識させられた。確かに、私が中学生のとき農村に下放(農村への強制移住)した同級生たちと20〜30年ぶりに再会したときの印象を思いがした。かつて美少女だった女性を見て、歳月がこんなに残酷に足跡を残すものかとそのショックを覚えたことがあった。心のどこかで自分たちも中国もまだ若いと思い込んでいたが、その幻想はみごとに打ち砕かれた。

番組の内容は、公立の老人ホームに入るために3〜4年も順番を待たされているというおもの。待っているうちに亡くなった方もかなりいる、と番組に出た老人ホームの担当者がけろりと言いのけたのには驚いた。

このコラムで前回は大卒の就職難問題を取り上げた。確かにこれは現在進行形の社会問題としてたいへん深刻だが、あと3〜4年も経てば、この問題は自然と解決されるだろうと思う。若い人が次第に減少しているからだ。これに対して、高齢化問題は時間が経てば経つほど深刻になっていく。将来のことだが、とても近いうちにやってくる現実だ。

昨年12月中旬、中国民政省直属の「中国老齢工作委員会」は調査報告を発表し、中国人の高齢者人口の現状と将来を報告した。それによると、中国の60歳以上の高齢者人口が06年時点ですでに欧州全体の高齢者数に匹敵する1億5000万人に達し、総人口の約11.3%を占めるに至った。世界の高齢者人口の比率に直すと、5人に一人は中国人となっている。

2020年の高齢者人口は、ほぼ倍増し約2億5000万人に達するだろうという。高齢者人口は2050年時点で最大値に達し、総人口の4分の一ないし3分の一に当たる4億万人になる。このときには2人の現役労働者が高齢者1人を養うことになるだろうと予測する研究レポートやメディアの報道もよく見られる。中国老齢工作委員会は、急速に進む人口の高齢化が経済や社会の発展に深刻な影響を与える、と警告している。

そのひとつは、中国でよく高齢化問題に取り組む関係者や政府関係者の口からよく出てくる「未富先老」(富まずに老いる)という言葉だ。つまり、社会全体がまだ豊かになっていないのに、高齢化問題はもう無視できなくなっている、という。

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