最近、中国社会科学院「人口と労働経済研究所」の蔡昉所長が「中国就職の増加と構造の変化」というレポートのなかでこの問題に触れ、「2004年から新しく労働年齢に達した人口数が労働力に対する需要数を下回り、両者の差が次第に広がってきている」、「中国は労働力過剰時代から労働力欠乏時代へ転換する」と指摘し、そのターニングポイントは2009年だと予測している。

中国の総人口ピラミッド(1964年) 出典:中国社会科学院 人口と労働経済研究所 蔡昉所長の論文「富まずに老いる-労働力短期予測」

中国の総人口ピラミッド(2000年) 出典:中国社会科学院 人口と労働経済研究所 蔡昉所長の論文「富まずに老いる-労働力短期予測」
蔡所長はさらに、自らの論を裏付けるデータを公表した。今までは、農村には三分の一の労働力が余っていた。その余剰労働力は1億人から1億5000万人であるが、そのうち40歳以下の若い農村余剰労働力は5212万人に過ぎない、というのだ。

中国の都市部人口ピラミッド(2003年) 出典:中国社会科学院 人口と労働経済研究所 蔡昉所長の論文「富まずに老いる-労働力短期予測」

中国の農村人口ピラミッド(2003年) 出典:中国社会科学院 人口と労働経済研究所 蔡昉所長の論文「富まずに老いる-労働力短期予測」
中国の総人口に占める若者の比率は減少傾向にあることは事実だ。これは1980年に始めた一人っ子政策によるところも大きい。しかし、貧困地域や少数民族などの農村地域では一人っ子政策が除外されているため、かならずしもその影響はないと思われている。しかし、農村地域でも若者の人口は減少しているのだ。労働力不足時代の訪れに早く備えるための行動を起こさないと、痛恨の思いを残すことになるだろう。
次回は、大学を卒業しても中国にはそれにふさわしい就職口がないという構造的問題を論じたいと思う。
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