このページの本文へ
ここから本文です

レポートによると、チケットの価格差は販売システムの違いにも起因するという。

上海では、チケットの販売元は公演場所である上海大劇院とインターネット販売代理店1社と在来の販売代理店1社だけで流通関係がすっきりしており、中間マージンがあまり発生していない。一方、北京になると、販売ルートが混乱しており同じミュージカルなのに販売ルートが20以上もある。それにもかかわらず、一次販売代理店、二次販売代理店と流通経路が混乱しているため、かなりの中間マージンが発生しているらしい。やはり、販売代理店の多さが競争を促すという経済論理が成り立っていない。

さらに、官僚社会の北京では、チケットの無料贈呈も公演の主催側に大変な経済的負担をかけているという。上海では、メディア関係者や政府役人への無料招待券といっても、そのチケット代はスポンサーなどが間接的に負担する場合が多い。劇場側から見れば、収入が減ることはないのだ。

コンピュータには、贈呈用のチケットの行き先、購入者についてのデータがはっきりと残る。スポンサーに提供するチケットは、その協賛費用の15%以内と明確に決められている。劇場の支配人であっても勝手にチケットを贈呈することはできない。北京である外国の芝居が上演されたとき、売上予算4300万人民元のうち、政府機関の求めによって700万人民元に相当するチケットが贈呈されていた。しかも、贈呈されたチケットはいずれも一番いい席だったという。

莫 邦富(モー・バンフ)

1953年中国・上海生まれ。上海外国語大学卒業後、同大学講師を経て、85年に来日。知日派ジャーナリストとして、政治経済から社会文化にいたる幅広い分野で発言を続け、「新華僑」や「蛇頭(スネークヘッド)」といった新語を日本に定着させた。

「蛇頭」、「中国全省を読む地図」、翻訳書「ノーと言える中国」がベストセラーとなり、話題作には「日本企業がなぜ中国に敗れるのか」、「これは私が愛した日本なのか」、「新華僑」などがある。

最新刊に「mo@china 莫邦富・中国レポート」、「中国の心をつかんだ企業戦略」。現在、朝日新聞be(土曜版)にて「mo@china」を連載中。

(全 3 ページ中 3 ページ目を表示)

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る