このページの本文へ
ここから本文です

地域差激しい中国消費財市場〜急拡大するエンタメ市場の場合

2007年5月7日

中国を“世界の工場”から“大規模な潜在市場”と見る意識が日本でも急速に広がっている。しかし、中国の市場は一言で表すほど単純ではない。地域によってまったく事情が異なる。その違いを理解しなければ失敗することもあるだろう。今回は急速に拡大しているエンタテインメント(エンタメ)市場を例に説明しよう。

ハリウッドが巨額の製作費をかけて作った商業映画は、中国では「大片」と呼ばれ、90年代の半ばから毎年かなりのタイトルが公開されている。近年はこうしたハリウッド系の商業映画だけでなく、ミュージカルも中国、特に上海で人気を博している。筆者が執筆している朝日新聞の連載コラムに、その人気ぶりを次のように紹介した。

「英国の作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーによる『オペラ座の怪人』が04年12月18日から翌年3月13日まで上海で上演された。この公演は中国演劇市場での三つの記録を作った。つまり3カ月足らずという短期間にもかかわらず、96回の公演、6500万人民元(約10億円)の売上げ、17万人の観衆動員を実現したというものだ。」

ここ数年で、『レ・ミゼラブル』『キャッツ』『ザ・サウンド・オブ・ミュージック』『ノートルダム・ド・パリ』『ライオン・キング』などのミュージカルの名作が相次いで上海で上演され、新しい物の好きな上海っ子の心を掴んだ。公演開始前に補助席のチケットまでが販売されたケースもある。『オペラ座の怪人』は99%の満席率を誇り、大きな話題にもなった。

ミュージカルの本場とされる英国や米国のほか、ドイツ、ロシア、香港も上海のミュージカル市場を狙い始めた。旅行業界に到っては、「上海でミュージカルを観劇することが上海旅行の新しい魅力になるのでは」と期待感を膨らませている。

先月、出張で北京を訪れて、宿泊先ホテルを保利大廈にしたところ、ホテルのロビーに巨大な「マンマ・ミーア」の宣伝ポスターが貼られていた。このミュージカルは今年7月5日から8月19日まで上海と北京で公演することになっているのだ。北京では、劇場施設も備えている保利大廈がその舞台となっている。

(全 3 ページ中 1 ページ目を表示)

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る