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春節に顕在化した地方出身人材の課題

2007年3月5日

春節前に、蘇州で数日過ごした。何社かの日系企業と地元企業の人事担当幹部たちと食事をする機会に恵まれ、いろいろと情報を交換することができた。季節柄、話題の中心は春節のことだったはずが、いつの間にか人材に関する話題になっていた。それは地方出身の人材に関する課題であった。

中国では春節の時期に1週間以上の休暇をとるのが一般的だ。春節のほかに、中国では5月1日のメーデーから始まる1週間、10月1日から始まる国慶節の1週間にも休暇をとる習慣があるが、春節の時期は地方出身者のほとんどが帰省する点で他の休暇と大きく異なる。この時期には大陸の大都市と台湾を直接結ぶ航空便が話題になるなど、中華圏内での大移動が起きる。この縁起がよい時期に合わせ結婚式などを挙げることも珍しくなく、家族の絆が強い中華圏の人たちは春節の時期にほとんどの人が帰省する。

したがって、普段は寮などに住み込んで働くワーカーもいっせいに帰省してしまい、工場の操業やレストランの営業などができなくなる問題が生じている。そればかりか、春節が終わっても仕事に戻ってこないワーカーもいるため、これが人材確保を難しくしている現状がある。今回は、その話題を実際の会話形式で紹介しよう。

日系電子部品メーカーA社の人事幹部Aさん:「春節のころになると、私たち人事担当は一番頭が痛い。契約社員は出勤しません。休日残業をしてもらおうと相談したら、逆に辞表を叩きつけられました。しかも、一人二人じゃないので、問題は深刻です。」

レストランやホテルを営んでいる地元企業B社の人事幹部Bさん:「まったくその通りです。うちはサービス業だから、休みのときに一番忙しい。なのに、地方出身の契約社員は家庭との団らんを仕事より優先させる。いまは仕事が見つかりやすいので、数年間働いた職場でもあっさり辞めてしまうのです。」

Aさん:「うちは契約社員の中から、やる気のある社員を正社員に登用したり、班長に抜擢したりして、やる気を持続させようといろいろと手を打っています。しかし、それでも春節の残業を相談したら、会社を辞めると言われてしまいました。辞表の理由欄には、『家に帰りたい』という一行だけでした。」

Bさん:「私も3年前まで契約社員でした。一歩一歩ここまで歩んできて、半年前から人事担当マネージャーに抜擢されたのです。自分の歩んできた道を例に、仕事を立派にやれば、絶対に報われる日が訪れる。それを信じてください、と社員に説明しても、聞いてくれる人はほとんどいない。」

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