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“春雨”向けの日本ツアーにビジネスチャンス

2007年2月19日

私は現在NHKテレビ中国語会話のテキストにコラムをもっており、その中で新語を紹介・読解するという形で激変する中国を見つめようと試みている。もちろん、新語という理由だけで採り上げてはいない。ここで採り上げた題材はある種の社会性または時代の流れを凝縮しているものだけに、中国ビジネスに関するヒントが潜んでいるかもしれない。今回は2006年11月号で取り上げた「粉絲」に関するビジネス・ヒントを紹介しよう。

「粉絲」を中国語辞典で調べると「緑豆などからできたでんぷんを使って作った線状のもの」と書かれている。つまり春雨だ。しかし、ここ数年「粉絲」という言葉にやたらと遭遇する。その意味は中華料理食材としての春雨ではなく、「ファン」のことを指す。さまざまなオーディション番組に刺激されて、多くの粉絲クラブが結成され、テレビ番組がいやがおうにも雰囲気を盛り上げている。

なぜ、春雨である粉絲がファンを表現することになったのか、簡単に説明すると以下のようになる。ファンの複数表現は英語ではFansとなる。この発音が中国語の「粉絲」(フェンスー)と似ているのがその理由。

従来中国語でファンのことは「京劇迷」のように「XX迷」と表現していたが、近年中国ではわざと滑稽に表現する「搞笑文化」がはやっている。こうした文化環境のなかで「粉絲」という表現はあっという間に定着した。中華料理の食材を想起させる表現で、歌手や芸能人、文化人の崇拝者、心酔者を意味するファンを言い表すことによって生じるイメージの落差と心理的な衝撃度が、ある種のこっけいさと面白さを生み出している。それをまた楽しむという大衆心理がこの言葉の普及を速めた。

こうした社会環境は、「粉絲経済」をも生み出している。自らが愛するアイドルを支持するために、粉絲たちは「粉絲団」を結成して情熱的に応援活動を展開する。アイドルの作品の販売ランキングを上げるため、粉絲たちは海賊版のCDなどを買わずに正規のCDをたくさん購入する。自分用だけではなく、友達にプレゼントしたりもする。愛するアイドルのコンサートを追っかける。そこでの宿泊や飲食などもかなりの支出になるが、みな顔色ひとつ変えずにお金を出す。

中学生、高校生または大学生が粉絲の主な構成メンバーと思われているが、実際はOLまたは中年の女性も大勢いる。ちりも積もれば山となる。一個人としての彼女たちの消費力は限られたものだが、集団としての彼女たちがもつ経済力は無視できない。中国では、歌手のタマゴを探し出すオーディション番組の対象者は若い女性だけではない。最近では、京劇や越劇など伝統芸能に挑戦するオーディション番組や「好男子(いい男の子)」といった若い男性が主人公のオーディション番組までもが競い合うように誕生している。主催側の狙いは明らかに高校生または大学生までではなく、OLや中年女性たちをも観衆層に取り込むことにある。

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