中国人をどう管理するか?(2)〜中国人は学ぶべきところのある人物を尊重する
(原 奈緒=北京衆邦創業投資顧問事務所)
前回「中国人をどう管理するか?」という議題で、中国人の「人事権があってこそ、中国人スタッフを管理することができる」という側面について、説明しました。しかしなかには人事権や評価権がなくとも、現地でうまくやっている日本人もいます。日本から技術者が赴く場合などがそれに当たります。
今回は「中国人は学ぶべきところのある人物を尊重する」という中国人の一側面について説明し、更に「中国人に学ぶべきことを与えられる最初の赴任者が、現地のノウハウを蓄積し、中国人後継者を育成することの必要性」についても指摘していきます。
最初の赴任者は失敗した後継者よりも能力があったのか?
ある日本の中小企業は、中国での店舗立ち上げに際して、日本人の若手社員Bさんを派遣しました。彼は現地で中国人スタッフを指導し、中国人スタッフと非常によい人間関係を作りました。しかしBさんの帰任後、新しく派遣された日本人のCさんは、現地でいい仕事ができず、スタッフにブラックメールを書かれて帰任の憂き目に合いました。この事実は「BさんはCさんよりも能力があり、人柄が良い」という事を示すのでしょうか?
このケースは、中国人スタッフから見て「Bさんからは学ぶべきことがあったが、Bさんから既に学んでしまったので、Cさんから学ぶべきことが無く、Cさんは邪魔な存在にすぎなかった。」という事実を示すだけに過ぎないと、私は考えます。
Bさんの赴任当初は、現地店舗が立ち上がる段階でしたから、中国人スタッフは日本のノウハウをBさんから学ぶ必要がありました。ですから当然Bさんをちやほやします。人間関係がよくなるのも当然です。中国人スタッフがBさんからノウハウを学び、現地の状況に合致させたときに、BさんからCさんに駐在員が交代となります。「CさんはBさんに比べ、中国人スタッフに教えるべきことが少ない」という弱点が、どうしても存在してしまうのです。
Cさんは、Bさんと同じくらいのノウハウを持っていました。しかし中国人スタッフはそれを既にBさんから学んでいます。社会が違うのですから、日本のノウハウはそのまま中国では通用しません。そして中国人スタッフは日本のノウハウを既に中国化させ、既にその運営経験を持っているのです。Cさんは中国での運営経験は、全くありません。現地スタッフは、Cさんから学ぶべきところが少ないばかりか、Cさんに教えるべきことの方が多かったのです。
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