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投機で乱高下した「ばら積船」運賃 中国の産業動向が影響

2008年8月25日

国際貨物船で鉄鉱石や石炭、それに食料などを運搬する「ばら積船」(Dry Bulk Cargo)の運賃が乱高下した後、現在は高止まりしている。 ばら積船による国際貨物は、40%が鉄鉱石、30%が石炭、残りが農産物などとなっていて、運賃はロンドンにある市場「Baltic Exchange」のバルティック海運指数(Baltic Dry Index)が世界的な基準となっている。

バルティック指数は、2007年11月に9000ポイントを超えたが、その後下落し2008年1月末には5000ポイントまで下がった。ところが、もともと傭船取引は投機的色彩が強い正確をもっており、その後更に投機筋が入り、そこから上昇に転じた。4月に1万1793ポイントの最高値をつけ、5月も1万1409ポイントと高値を維持。5月は年初と比べて80%も上昇した。ただ、7月には7420ポイントへと若干下げている。

海上運賃市況は相場の変動幅が大きく投機筋に狙われるが、最近では不定期船市場にモルガン・スタンレーとかバークレイズなど金融機関の名前も噂されるようになっている。このように高止まりするのは、単に船の燃料価格に直結する原油高の影響だけではない。投機筋は中国向け鉄鉱石の異常な輸送量増大に目をつけている結果だと筆者は分析している。

問題は、ばら積の運賃が商品価格を上回る、という異常事態となっていることだ。実際の15万トン級のケープ型(アフリカ喜望峰回り)の一日あたりの太平洋での傭船料は24万ドルだ。具体的な仕向け地別では、ブラジル/中国間が1トン当たり107ドル、オーストラリア/中国間が1トン当たり47.70ドルとなっている。一方の鉄鉱石の価格は、2007年後半の契約では1トン当たり80ドルだ。鉄鉱石のほかにも、石炭、穀物、肥料原料、セメントなども航海距離によっては商品より運賃が高いケースが出てきている。

ただし、2008年後半の鉄鉱石契約ではオーストラリア産が2倍、ブラジル産も同水準の値上げと予想されており、運賃高の逆転現象は解消されると見ている。いずれにせよ、資源高には海上運賃高の影響がしばらく続くのは避けられないことは確かだ。

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