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国内企業からも労働法反対の声

労働法の問題を指摘しているのは外資系企業だけではない。中国の国内企業も外資企業に呼応している。急先鋒に立っているのが香港市場に上場している段ボール厚紙メーカー「玖龍紙業(Nine Dragons Paper (Holding))」の女性会長の張茵さんだ。労働法は労働者を再び“鉄の茶碗”に一生抱え込むようなもので揺りかごから墓場まで総て面倒を見るようなもので企業としては到底受け入れられない、と明快に反対している。

彼女は80年代後半に香港で古紙回収業を始め、更に渡米してアメリカで古紙輸出会社を作り、帰国後に中国大陸でNine Dragonsを興し、その後も果敢に設備を拡充し世界第2位の段ボール厚紙会社とした。正に香港発の立志伝中の人だ。

香港に上場しているので張会長も会社説明会に出席し実に歯切れ良く計画を説明する。筆者も華南地区の企業説明会で講演を聴いたが中国の経営者としては異色の存在だ。2006年の生産能力は450万トンだが2009年までに1500万トンに拡大する計画。内需が堅調なので90%以上が中国大陸向け。将来は北米で川上産業にあたるパルプ事業、植林事業まで検討したいとのこと。既にベトナムの製紙会社を買収した。

2008年はアメリカの景気後退によって古紙価格も下がるので、今がチャンスという。中国には無数の中小製紙会社がある。例えば東ガン市だけでも116社あり、水道の最大使用業種だ。製紙会社の廃液は汚染の元凶とされていて環境面からも水質汚染企業を市はすべて閉鎖させるとしている。この点もNine Dragonsにとってチャンスだ。上海在住の英人公認会計士Rupert Hoogewerf(ルパート・フージワーフ)氏の2006年の中国長者番付によると、張会長は推定資産270億人民元で一位であった。中国の長者番付けは株式上場でもしない限り推定となってしまうが、不動産業が上位を占め毎年目まぐるしく順位が変わる。中には汚職で捕まったりと変化が激しいが張会長の場合は企業家として大成功したわけだ。

一方、彼女は中央政府へのアドバイスを行う機関、全国政治協商会議委員なので労働法問題もこのルートで政府内の議論となろう。政府としては労働者の権利を保証したいが、行き過ぎた保護は労働組合天国となり外資系は中国から撤退するリスクもある。しばらくは政府の出方を見守りたい。

南船 北馬

長年商社で海外取り引きに従事。

ニューヨーク、ロンドン、香港、北京と20年近くを三極で過ごす。

中国との取り引きは1970年代から経験。

北京には天安門事件後に駐在。 欧米での長い経験と香港企業との付き合いも深く、海外経験が中国中心の中国通とはやや異なるクールな見方を持っている。

現在、日本香港協会理事長。

デンマーク、カナダ、旧東欧圏諸国などとの経済交流にも積極的に参加している。

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