筆者も良く知っているが、アイルランド産業開発庁(IDA)が極めて企業誘致に熱心なことと、法人税が欧州の中でも最低の12.5%という低率という利点がある。これによって、アイルランドのほか、イタリア、ポルトガルの電機メーカーを新規顧客として獲得することができたという。さらに欧州系自動車メーカーとその部品メーカーも新規顧客として獲得する計画だ。
前向きな技術開発が成功を呼ぶ
2008年4月16日から3日間、幕張メッセでモーター技術展、電源システム展、熱対策技術展が開催され、そこでウチヤの新商品展示があった。サーモスタット関連以外にも打矢社長の技術開発の夢は際限なく広がる。産学連携共同開発プロジェクトではナノメートルレベルの鉄粉に水を加え、水素を取り出す燃料電池用の水素発生装置の実用化、ホルムアルデヒド(シックハウス症候群の原因物質)を高感度に検出できるガスセンサーなどの実用化に向けた開発も進んでいる。
ウチヤが進出した20年以上も前の香港と今の香港では隔世の感がある。その間、人件費の値上がりなどで香港は工場立地としては不利な状況に陥った。しかし、すべての香港の製造業が中国大陸や東南アジア地域にシフトしたわけではない。まだウチヤと同様、香港でどっこい生きている企業も多い。
筆者には、ユーザー密着型の事業を展開しているウチヤが、日本と香港を軸にしてアジア諸国、欧州では旧東欧圏、そして中南米で工場群を展開している将来の姿が見えてくる。
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