香港に部品工場を立ち上げ成功した日系企業
電気機器の加熱のしすぎを検知しやけどや火事になる前に自動でスイッチを切り、冷えてくると再び自動でスイッチを入れる働きをする部品がサーモスタット。ヘアドライヤーなどの理容器具に使うサーモスタットで世界市場の70%のシェアを持っている企業、それがウチヤ・サーモスタット(埼玉県三郷市、打矢正雄社長)だ。
1956年創業の同社は資本金7600万円の中堅企業だが、20年以上も前の1986年5月に100%出資の現地法人ウチヤ・ホンコンを設立し、今は香港人に現地法人の経営を任せて成功している。当初はチェンワンの25階建て工場マンションに1部屋のスペースを確保し、従業員約60名の二交替制で86年9月に操業を開始した。翌年12月には同じ九龍半島のツエンモン(屯門)の15階建て工場マンション内に第2工場を稼動させた。現在のウチヤ・ホンコンの従業員数は250名、2007年の売り上げは8万3737香港ドル(約11億円)で、ここ数年は7〜11%の増収基調となっている。
香港の成功に続き94年にはアイルランドにも工場を展開するなどユニークな事業展開をしている。打矢社長に話を聞く機会があったので、今回は同社の香港工場の経営方針を紹介する。
中堅企業だから決断できた現地化
同社のサーモスタットは、ヘアドライヤーのほかに、家庭内ではこたつ、炊飯器、エアコン、電子レンジ、冷蔵庫、アイロンなどに、工業用では自動車エンジンの冷却装置、飲料自動販売機、金型製造装置などに「自動温度調節装置」として使われている。売り上げの主なものは、電機機器部品向け、自動車部品向けだ。
「小さく生んで大きく育てる」というのが打矢社長の口ぐせで、同社の香港現地法人の経営方針はユニークだ。
1.初期投資を出来るだけ切り詰める:
香港では機械設備の他、備品、内装に至るまで一括リース契約して初期投資を軽減した。香港に続いて建設したアイルランドは自社工場であるが、まず規模が小さな工場を建て、需要と新製品開発などに応じて拡大する作戦をとった。
(全 4 ページ中 1 ページ目を表示)
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- 取扱量順位は下がっても海運物流の重要な拠点、香港港 (2008/09/22)
- 投機で乱高下した「ばら積船」運賃 中国の産業動向が影響 (2008/08/25)
- 国内企業からも不評の労働契約法 (2008/07/28)
- 香港に部品工場を立ち上げ成功した日系企業 (2008/06/23)
- 香港化する深セン (2008/05/26)

