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中国から香港経由でドバイに、そして世界中に

2007年12月のHerald Tribune紙と11月のSouth China Morning Post紙はドバイルートについて詳細な検証記事を載せた。もともとNew York Times紙も取り上げていたものだが、その内容を紹介する。

  1. 最近ドバイのフリーゾーンにあるEuro Gulf Trading社の倉庫がドバイ政府によって摘発されニセモノ医薬品ルートの一つが解明された。
  2. ネット薬局から薬を買った米国ユーザーはカナダから薬を買ったと思っていたが、その流通ルートは中国―香港―ドバイ―UAE―英国―バハマなる複雑なサプライチェーンが出来上がっていて、製造元は中国であった。ドバイなどのフリーゾーンに搬入し倉庫に入ると製造元の正体は不明となる。
  3. 医薬品メーカーはニセモノ医薬品の摘発調査員を世界各地に張り巡らし果敢に摘発活動をしている。Pfizer社の調査員の話では、ドバイはアジア、欧州、アフリカとの接点に位置しておりニセモノ業にとって戦略上の重要拠点になっている。欧州で流通しているニセモノ医薬品の三分の一はこのルートからといわれる。さらに、ドバイだけでなく世界各地のフリーゾーンからフリーゾーンへと品物が流れている。最近ではヨルダン、モーリシャス(東アフリカの島)が流通ルートに入ってきている。
  4. ドバイ政府の話しでは仏Sanofi Aventis社の血流を良くする薬「Plavix」のニセモノ50万錠がモーリシャスからUAEに来たところを差し押さえた。錠剤にはセメント粉が混入していた。
  5. 2006年にロンドンのヒースロー空港で385キログラムのニセモノ医薬品が発見された。いずれも、Merck社、Novartis社、Astra Zeneca社、Pfizer社など超一流メーカーのブランドが記されていたが、中には極微量の金属が混入していたニセモノだった。押収したカプセルの入ったコンテナーから貨物はUAEから来たものと判明した。
  6. Pfizer 社の調査員はバハマ当局とかけあって医薬品をネット販売しているPersonal Touch Pharmacyから400万米ドル相当のニセモノ医薬品を押収した。
  7. 医薬品のネット販売サイトPersonal Touch PharmacyはCanadian Internet Pharmacyサイトのサーバーと接続していることも判明した。このサイトは世界初のネット薬局 Rxnorthのもの。低価格が売りで、すでに8億米ドルを売り上げた。創業者は30歳代のAndrew Strempler氏なる人物。Pfizer社 とMerck社は直ちに供給を絶ったことで彼は他の卸しから買わざるを得なくなった。Pfizer社の各国の調査員網から供給元が中国製ニセモノであることを突き止めた。バハマで小分けされイギリスで切手を貼ってアメリカなどに流れたようだ。
  8. 上述の中国製であることを突き止めた調査員の話では中国の工場では午前中は普通の薬を造り、午後からニセモノづくりに励んでいるという。広州と香港の両地域を走ることが出来るライセンスを取ったトラックで香港に入りそこから船積みにする。

今後中国産製品の輸入ルートとして、ネット販売とそれを支えるフリーゾーン経由の流通に注意が必要だ。

南船 北馬

長年商社で海外取り引きに従事。

ニューヨーク、ロンドン、香港、北京と20年近くを三極で過ごす。

中国との取り引きは1970年代から経験。

北京には天安門事件後に駐在。 欧米での長い経験と香港企業との付き合いも深く、海外経験が中国中心の中国通とはやや異なるクールな見方を持っている。

現在、日本香港協会理事長。

デンマーク、カナダ、旧東欧圏諸国などとの経済交流にも積極的に参加している。

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