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また、残留農薬などを除去するためには加工工場における水洗い工程が重要だ。作物育成のためにも水は必要だが、食品に加工するときにも大量の水が必要となる。香港の食品加工メーカーはこの後処理の水の有無の調査が中国大陸進出の最優先事項だとしている。

まず、中国では使用水量が利用可能な水資源量を大幅に上回っている慢性的な水不足である点に注意が必要だ。中国北部は元々乾燥地帯で、沿海部の農村は塩害の危険もある。不足している水は雨水、河川や湖の水、海水などを直接使わざるを得ない状況だ。

水の確保が難しい上に、さらに水質汚染が水不足を深刻化している。国家環境保護総局の発表では、全国の耕地面積の一割以上が重金属で汚染されており、年間1200万トンの穀物が影響を受けているという。これは作物の育成に使う河川の水などがカドミニウムなどによって汚染されているからだ。

もし良質な水資源を確保できなければ、食品加工メーカーが中国大陸に進出することは安全性の面から避けなければならないだろう。食品加工メーカーも低コストで大量生産をする一般的な製造業と同じ理由で中国に進出すると筆者は理解している。したがって食品加工メーカーにとっての中国進出リスクは、一般的な製造業の中国進出リスクに加え安全性の確保という難しい要素が加わることとなる。香港の食品加工メーカーは中国だけに頼るのではなく、東アジア太平洋地域や北米にも進出することでリスク分散をしていることも参考になるだろう。

南船 北馬

長年商社で海外取り引きに従事。

ニューヨーク、ロンドン、香港、北京と20年近くを三極で過ごす。

中国との取り引きは1970年代から経験。

北京には天安門事件後に駐在。 欧米での長い経験と香港企業との付き合いも深く、海外経験が中国中心の中国通とはやや異なるクールな見方を持っている。

現在、日本香港協会理事長。

デンマーク、カナダ、旧東欧圏諸国などとの経済交流にも積極的に参加している。

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