中国における環境ビジネスのリスクをまとめると以下のようになる。
- 技術や装置を不正にコピーされる知的財産権の侵害への対処。
- 社会貢献に対する優遇税制がないばかりか、正規以外に種々の名目で税金が徴収される点は一般の事業と同じ。
- 環境問題はにわかに認識されてきたので、事業を始めるにあたって行政機関の担当部署が多岐にわたる。そのための関係(コネ)作りが一般の事業より負担が多い。
このような環境ビジネスのリスクに対処する方法としてDunwell社のCheng社長は、中国大陸での環境ビジネスの経験があるDunwell社などの香港企業との合弁で参入することを勧めている。さらに装置や技術の知財権保護のために、通常の機械加工やモジュールの組み立ては中国大陸で実施しても、主要部品の製造と最終組み立てと検査を香港で実施すべきであるとアドバイスしている。部品製造や組み立て工程が香港と中国大陸に分散し面倒になるが、中国進出に当たっては初期段階で検討すべきだと強調している。
中国の環境問題に対する面子かかる北京五輪
さらにCheng社長は、北京オリンピックでは中国の環境問題に対する面子がかかっていると指摘した。2年後の8月8日夜8時からと北京が最も暑い時期の開催となり、環境面でもよい状況とはいえないが、あらゆる手段を講じて環境を整えるという。
90年代の初め、北京とシドニーが2008年のオリンピック開催地を争っていたころ筆者は北京に滞在していたことがある。オリンピック委員会のメンバーが北京を最終調査にやって来た、厳しい冬の最中だ。委員の来る数日前から北京市長名で「数日間石炭をたくことを一切禁止」「老人・子供は外出禁止」というスローガンを掲げた。今でも中国の暖房は石炭ストーブが主流だが、当時も暖房のない厳しい冬の日々ではあったが久々に現れた青空を今でも覚えている(外国人は居住区が決まっていて自家発電の暖房ではあった)。さらに、委員が北京を訪れるころまでには、すでに枯れている芝生に緑色のペンキを塗って青々と生えているように見せたという演出もあった。恐らく2008年8月8日には青空で、ゴミもない北京が現れるであろう。
さらに最近話題になっているのは、北京など北部の水不足を解決するために、北京向けに南部から運河で水を運ぶ「南水北調」事業の完成をオリンピックまでに目指している点だ。この事業の成功の可否が問題にはなっているが、それより深刻なのはやはりこの事業に伴い新たな環境問題を引き起こす可能性がある点だ。
中国政府には北京オリンピックの面子がかかっている。緑色ペンキの調達、運河建設に対する環境対策などオリンピックに向けた環境ビジネスは特需になる可能性はある。
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