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具体例を見てみよう。ナイジェリアに対し政府は40億ドルに上る投資を約束し、六つの覚書と中国・アフリカ新パートナーシップ発展に向けた共同努力を確認している。ところが覚書には中国石油天然気集団(CNPC)に国際入札予定対象鉱区のうち4鉱区での優先権を付与、CNPCがガドウナ製油所株式を買収し経営権を獲得することがうたわれている。

ケニアでは6分野での協力に合意、ナイロビ市内の道路整備、スタジアム改修、米供与による食糧援助などだが、ケニア政府は中国海洋石油(CNOOC)に6カ所の油田開発を許可した。さらにケニアの閣僚クラスの政治家が2年間で18回も中国を訪問したとしていろいろな憶測を呼んでいる。

アルジェリアとも中国は緊密な関係にあり、同国の石油・天然ガス開発でもCNPCが一枚かんでいる。また、中国国際信託投資(CITIC)グループと中国鉄道建設公社(China Railway Construction Corp.)が70億米ドルでアルジェリア東西を結ぶ高速道路建設を落札したと報じられている。この報道のポイントは今まで中国の建設業は世界的にはそれほど認められていなかったが、この入札ではアメリカのベクテル、日本の大成建設、その他ドイツ・フランス勢など世界の一流建設会社を相手に低価格で落札したという点にある。中国企業がひも付き援助で経験を積み、安値を武器に乗り込むと言う図式が建設業界にも及んでいるわけだ。

感謝どころか嫌われる中国人

このように中国のアフリカ援助とは資源確保と関連する国営企業が一体化してそれぞれの思惑を優先するものである。日本とか西欧が実施している衛生対策や貧困撲滅への支援といったものとは違い、アフリカの一般市民はあまり感謝していないようだ。

中国人の現地での住居は最高級住宅地に構えている場合が多いという。タンザニアでよく引き合いに出されるのは「タンザニアの森の木を中国向けに強引に伐採してしまったので、タンザニアの森林は半減した」という皮肉交じりの表現だ。中国企業で働く労働者の待遇の悪さは各地で問題になっており、タンザニアでは7月に中国企業が保有する炭鉱の労働者が低賃金に抗議して大規模な暴動を起こした。また、アフリカ諸国では、Tシャツ、靴、おもちゃ、家電など安価な中国製品が大量に流入しており、事業閉鎖に追い込まれる現地企業も相次いでいる。

今後アフリカに対する中国の支援方法問題を巡って国際社会で大きな話題になることは間違いないだろう。

南船 北馬

長年商社で海外取り引きに従事。

ニューヨーク、ロンドン、香港、北京と20年近くを三極で過ごす。

中国との取り引きは1970年代から経験。

北京には天安門事件後に駐在。 欧米での長い経験と香港企業との付き合いも深く、海外経験が中国中心の中国通とはやや異なるクールな見方を持っている。

現在、日本香港協会理事長。

デンマーク、カナダ、旧東欧圏諸国などとの経済交流にも積極的に参加している。

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