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中国の人材確保事情は複雑怪奇

2005年9月26日

日系企業が中国に限らず海外で事業展開する場合、現地人の雇用問題が最初の難関となる。古くて新しい問題だ。中国では、白領(一般事務職)でも藍領(工場労働者)でも雇用できるが思いどうりの人材が集まらない、というのが日本から派遣した駐在社員の悩みだ。

一般的に、工場労働者は地域によって不足気味のところもあるが全体としては供給過剰だ。ただし、待遇改善要求が激しくなっている。一方、一般事務職は供給が需要に追いついていないとの認識が多いが、実態は「必要とする人材の採用・確保が困難」である。つまり、一般事務職への応募者は大勢いるが、こちら側の要求に合う人材が不足している、と筆者は認識している。

日本的経営を断ち切った人材確保・育成方針を作成せよ

まず、中国に進出している日系企業には雇用問題に対して特殊な事情と問題があるという点を説明したい。日本側は、利益を出すために、日本から派遣した駐在社員に対して早期に人材の現地化を求めてくる。特にコスト削減だけでなく、進出地域の風土と事情に詳しく、地方政府や従業員とのコミュニケーションをとりやすいという面からも現地採用社員は重要だ。

ところが、日本から派遣した駐在社員は人材採用の難関と遭遇することになる。まず、日本から派遣する駐在社員の資質だ。中国語を重視するあまりに、日本から派遣する社員は中国語修得者または中国人の日本語修得者に頼らざるを得なくなる。その結果、日本から中国に派遣する人材は、日本より2階級くらい上の仕事をすることとなる場合が多い。日本で平社員であった人が海外ではマネージャー役をこなすことになる。社員の採用経験がなく、コスト意識も希薄で部下の数は多いほどよいと考えがちだ。

次に、日本から派遣する駐在社員の職種にも問題がある。業種や規模にもよるが、せいぜい生産・営業・経理程度だ。スタッフ部門が手薄である。したがって、現地採用は経理担当者が兼任することになる。極端な例では、この経理担当者が経理・財務以外に、人事・総務・法務などの業務を一人でこなさねばならない例がある。

さらに、現地日系企業はいわゆる“日本的経営”を中国でも導入している場合が多い、上述の経理担当者が幅広い業務をこなすという“日本的経営”について日本人は違和感を感じない人が多いが、中国においても欧米と同じように専門に特化した職務範囲の認識がはっきりしており、それが当然だと思っている。つまり、ポストと給与は当然比例すると考えている。

例えば、ある技術職に対する給料の場合であるが、一般的な日系企業の平均初任月給は博士課程修了者が4000人民元、修士課程修了者が3200人民元、大学卒業者が2200人民であるという。これに対し欧米企業ではそれぞれ、7800人民元、4700人民元、3000人民元であり、日系企業の給与が欧米系より大幅に下回っている(これは大都市部の平均ではあるが、地域・職種によって差もあり流動的)。

next: この日系企業と欧米企業との単純な給料額の差について…

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