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香港企業が持っている委託加工品契約の知恵とその落とし穴

2005年7月25日

2005年5月に香港貿易発展局と日本香港協会の主催で「中国取引・香港利用法」と題するセミナーをさいたま市で行った。古くて新しい課題、中国リスクとどう向き合うか、という話題について東京からの参加者もあり予定を上回る人数が参加した。埼玉県の地場産業において中国と関連するものが直ぐには思い浮かばなかった筆者にとって、参加者から熱心な質疑が相次いだことに正直驚いた。

そのセミナーの講師は、香港企業の経験と知恵を活用した眼鏡の製造販売会社 オンデーズ 社長の森部 好樹氏であった。今回のコラムでは、まず、中国進出に当たっては是非香港企業を活用して欲しい、という筆者らが常に強調している点を、森部氏の講演内容から具体的に紹介したい。そしてその具体的な例にも、場合によっては落とし穴もあるという点を筆者の経験を基に付け加えたい。

検品を日本で実施、不良ロット全品を中国委託工場側に引き取らせる

森部氏に関しては、日経ビジネス 2004年12月20日・27日合併号でサラリーマンからの華麗なる転進物語が紹介されており、ご存知の方も多いと思う。旧日本興業銀行のニューヨーク、香港などの世界の金融の中心を歩いたエリート・サラリーマンから、ビックカメラに出向。そこで眼鏡売り場の勉強をしているうちに、ヒントを得て自らオンデーズなる低価格眼鏡専門店を創設した。

転進物語はさておき、筆者から見た彼の着眼点の良さと香港を上手に利用した商法について紹介したい。まず、森部氏は低価格眼鏡事業に参入するに当たり、香港の眼鏡会社をお手本とした。眼鏡はファション性商品で高価なものであり、粗利率が高い。極端な例だが、フレームとレンズは数百円でできる場合もあり、それが数万円で売れるという。ところが、日本では低価格品市場と高額品市場の両方が存在している。

一方で、香港ではグッチやシャネルなどの高級ブランド眼鏡も安く、眼鏡市場での競争が激しい。森部氏の成功の発端は、このカラクリに着目し、2001年9月に東京の香港経済貿易代表部(大使館に当たる)に電話で問い合わせたことだった。

香港経済貿易代表部は、早速香港貿易発展局(TDC)を紹介し、TDCは直ちに香港の眼鏡会社を紹介した。すでに開業店舗用の土地を手当てしていた森部氏は、その香港の眼鏡会社に電話でアポをとり、仕入れのため現金を持って香港に飛んだ。

香港では現地の眼鏡会社が築いていたノウハウを教えてもらい、その会社と契約を結び、直ちに日本に向けて眼鏡を発送することができた。その後業績は順調に伸び、オンデーズ設立から2年半で店舗数は60店(直営とフランチャイズを含む)に拡大し、今期の売上額は20億円に達したという。

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