
写真1 ハーゲンダッツの月餅アイスクリーム
筆者が今後成長株として注目しているのは乳製品市場である。日本の戦後の状況と似ており、現在中国における乳製品の消費が急激に伸びている。ある統計によると、中国全体の1人当たりの乳製品年間消費量は、1990年の4.4kgから2000年には7kgにまで達した。これは全国平均なので、沿海都市部ではさらに大量に消費されている。
実際、乳製品としてはネスレが進出してから数十年も地道な努力を続けている。最近はダノン、ハーゲンダッツ、スターバックスなどの動きも気になる。ダノンは過去8年の間に乳製品だけでなく飲料水、ビール、菓子類などの中国企業の株式を買収し、食品総合販売を目指している。ダノンの経営の特徴は、地元の傘下企業には人材を派遣せず、技術指導とブランド使用権を与えるという間接統治の形態をとっている点だ。
80年代後半から中国市場でもアイスクリームは人気商品で、その消費量は筆者も驚くほど多い。ハーゲンダッツは中国に進出してまだ10年弱の歴史しかないが、上海を中心に沿岸都市部で急展開している。その成功の一つに、中国の伝統的な食文化をアイスクリームと溶け合わせた点がある。つまり、特別品として(1)月餅アイスクリーム(写真1)、(2)火鍋アイスクリーム(写真2)───を販売したのだ。

写真2 ハーゲンダッツの火鍋アイスクリーム
月餅アイスクリームは、月餅の形をした円筒形のアイスクリームの表面をチョコレートで覆ったもの。中国人の贈答は派手で、月餅も年々高額化している。贈るならハーゲンダッツの月餅と宣伝したのが見事に当たった。
火鍋アイスクリームは、鍋の周りに小分けしたアイスクリームや果物などを載せ、鍋の部分には溶けたチョコレートやジャムが入ったもの。これは女性に人気がある。いずれにせよ、月餅とか火鍋を導入したアイデイアはすばらしいの一言に尽きる。
ハーゲンダッツはリスク管理も徹底している。彼らの自慢はマイナス28度を保つイタリア製の冷凍庫を販売店に設置した。さらに、中国での低温・冷凍品の販売が伸びない理由は電力事情が悪いためであると分析し、頻発する停電に対処するため自家発電機を設置しているホテルやショッピングモール内に販売店を開店した。
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