歴史的なチャンスを迎える中国の原子力発電〜新型炉は09年末に本格着工へ
「新しいものを作り出す能力だけでなく、すべての面で非常に優秀だ」。上海核工程研究設計院のエンジニア・李崗氏を、米ウエスチングハウスはこう評価している。
国家核電技術有限公司がウエスチングハウスとの間で、第3世代加圧水型軽水炉「AP1000」の技術移転契約を交わしたことを受け、李崗氏ら40人のエンジニアが研修のため渡米。AP1000新型炉を導入した世界初の原子力発電所となる三門原子力発電所の設計作業に同社と共同で取り組んでいる。
「ウエスチングハウス側は、中国のエンジニアを高く評価しているだけでなく、その若さをうらやんでもいる。われわれのエンジニアが30歳前後であるのに対し、米国では最年少者でも53歳だ」と、上海核工程研究設計院の鄭明光院長は、米国から送られてきた写真を見ながら話す。
チェルノブイリ原発の事故後、世界の原子力発電事業は低調期に入った。ウエスチングハウスは、巨額の資金を投じて経済性、安全性など多方面に優れたAP1000技術を開発したが、この20年間、米国の若くて優秀なエンジニアは、原子力発電プラント建設にかかわる機会がなかった。一方、中国の若手エンジニアはAP1000技術の導入という機会を得て、急速に力をつけている。
またこれは、エンジニアだけではなく、中国の原子力発電事業にとっても成長の好機となる。
AP1000型原発は来年にも本格着工へ
第2世代原発が1970年代の技術であるのに対し、チェルノブイリ以降の第3世代の技術は、重大事故の際の安全性を設計の基準にして発展したものだ。原子力発電所の安全性と経済性はいずれも大きく向上しており、中でもAP1000は、経済性、安全性に特に優れている。
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