中国のバイオ燃料はどうなる? トウモロコシ高騰で原料変更へ
吉林省長春市のタクシー運転手、秦さんは思案の末、3月末、車をLPG車に替えることを決断した。「市販されているのはすべてエタノール混合ガソリンで、馬力はないし燃費も悪い。LPGなら1日に10元は節約できる」からだ。
エタノール混合ガソリンとは、ガソリンに純度99.9%以上のエタノールを10%混ぜたものを指す。吉林省は、エタノール混合ガソリン実用化モデルに指定された省の一つだ。秦さんによると、モデル省に指定されてから、長春の大多数のタクシーがLPG車かLNG車に替わったという。
秦さんは「フォルクスワーゲンの『ジェッタ』は、エタノール混合ガソリンだと、100km走るのに10Lが必要だが、普通のガソリンなら8Lで済む。それにガタガタとひどい音がするから加速もままならない」と漏らす。しかし、原油価格の高騰で石油製品の需給がひっ迫する中、米国やブラジルなどが大々的にエタノール混合ガソリンの使用を推進していることを秦さんは知らないのだ。米農務省(USDA)のチーフ・エコノミストであるキース・コリンズ氏によると、米国ガソリン市場のエタノール混合ガソリン需要量は130億〜140億ガロンという。
「国際原油価格が40米ドル以上の高値で推移し、トウモロコシの卸売価格がトン当たり1400元を超えない限り、燃料用エタノールの生産企業は大きな利益が期待できる」と、吉林燃料乙醇有限公司(吉林乙醇)の役員は話している。吉林乙醇は、第10次5カ年計画(2001〜05年)期間に国家発展改革委員会が指定した燃料エタノールの四大サプライヤーの一つだ。
こうしたエタノール需要の大幅増によって、主要原料であるトウモロコシの国際価格が40%前後も跳ね上がった。この影響でブタ向け飼料の価格が暴騰し、それに伴って豚肉の価格も高騰している。自動車が人類と食糧を争うという現象が起きているのだ。
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