カーナビからテレマティクスへ 車載GPS市場の混戦に終止符か?
「こちらは95190サービスセンターです。ご用件をどうぞ」
「国家大劇院へ行きたいんだけど」
「はい、すぐにお調べします」
「ルートが検索できました。今から通信ナビゲーションへ転送いたします」
1月9日午後、北京中関村のあるビルの中。葛建国氏の手には1台の車載GPSナビがあり、その1つのキーを押すと、北京昌平のコールセンターにつながった。記者を前にデモンストレーションが始まった。
葛建国氏は、北京夢天遊系統集成有限公司の社長だ。彼は手の中の「夢天遊通信ナビ」と市場にある同類製品との最大の違いを次のように説明した。同社は200人のコールセンターオペレーター(第一期分、5〜6万台に対応)を擁しており、データベースで検索して、ユーザーのために設定したルートをナビ送信。ユーザーが自分で入力する手間を省く。サービスでは、ナビ機能のほか、電話の転送、緊急通報、安全運転支援、情報検索なども利用できる。
葛氏によると、これは中国内初のテレマティクスサービスで、中国では、他に同類のコールセンターサービスを行っている事業者はない。しかし、米GMの「OnStar」など、コールセンターを持つ成熟した海外のテレマティクスシステムが、中国市場への進出を加速している。単機能のGPSナビサービスは、テレマティクスに移行しようとしている。
ナビ市場の混戦
「通信+ナビゲーション」という製品やサービスモデルは、混乱する中国の車載GPS市場に終止符を打つことができるだろうか。答えは誰にも分からない。
現在、国内のGPSナビメーカーは100社を超え、一般家電(ハイアール、新科)、携帯電話(ノキア)、mp3音楽プレーヤー(紐曼)などのメーカーが次々とGPSデバイス市場へ参入している。ほとんど機能の変わらない数百種類の製品がIT製品チャネル、家電売場、自動車アフターサービス市場にあふれている。一般的な車載GPSナビ以外にも、PDAナビやDVDナビなどもあり、また携帯電話にGPS機能を後付けしたものや、ナビ機能を搭載したGPS腕時計も登場している。
産業全体の統一規格が存在しないため、市場は混乱し、価格競争が異常に激化している。なかには数百元で販売される製品もあるが、ナビ機能の精度に大きな差がある。また、販売価格やバージョンアップの費用が安い海賊版の電子地図が、正規版のソフト市場を脅かしている。
2007年11月、浦東新区の裁判所が受理した、ナビ販売業者を訴える事件が報道された。わずか600mの行程が、ナビシステムの検索結果では実際の9.4倍の距離に表示されたと主張しているものだ。裁判所は、GPSナビデバイスに対する訴訟が増加中であることを明らかにした。
「車載GPSナビ市場がきちんと形成される前に、悪質な競争の中で多くの製品が消えていった」と北京夢天遊の陳志方会長は少々残念がる。
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