FIATが長城汽車を意匠権侵害で提訴
不運が続く長城汽車のセダンプロジェクトはまたも不測の事態に遭遇した。イタリアのFIATが、長城汽車のセダン「精霊」の外観および内装のデザインがFIAT「パンダ」の意匠権を侵害したとして、中国とイタリア両国で長城汽車を訴えたのだ。
精霊は10月29日にラインオフの予定。長城汽車の商玉貴・宣伝部長が10月18日に語ったところによると、FIATが提訴したことを受けて、社内の法務部門が応訴の準備を進めているという。
FIAT中国の鄭暁俐・広報マネージャーによると、FIATは上海と北京のモーターショーで、精霊がパンダに酷似していることに気づき、社内の法務部門の調査を経て、長城汽車を提訴することに決めたという。同社は中国でパンダの意匠登録をしている。
米国の自動車関連ニュース『Automotive News』は、FIATの公式見解を引用し「精霊のドア、ルーフ、リアフェンダー、ボディ全体のフォルムはパンダとそっくりで、ヘッドライトとバンパーをアレンジしただけだ」と紹介している。FIATグループ側の弁護士、モニカ・ボルジョーリ氏は「中国の裁判所の一審判決は12月に、トリノ裁判所の判決は2008年1月末に下される予定だ」と語った。
なぜ今になって訴えたのか
コンパクトカー「パンダ」はイタリアの著名なデザイナーであるジウジアーロ氏の設計によるもので、FIATのベストセラーモデルとして、すでに26年間継続して生産され、現在に至っている。全世界での累計販売台数は500万台を超え、リーズナブルな価格、運転のしやすさ、性能の信頼性には定評がある。
すでに公開された写真から見ると、外観の面ではパンダと精霊は全体的によく似ており、恐らく設計の際に精霊はパンダを参考にしたものと思われる。しかし、両モデルのフロントフェースにかなりの違いがあり、ライト、バンパー、吸気グリルのフォルムは異なっている。内装の面での違いはさらに大きく、インストルメントパネル、ハンドルのデザインやフォルムは全く異なる。
商玉貴氏は「よく似た車は世界中にたくさんある。重要なのは独自の革新的な技術があるかどうかだ」と述べている。「精霊とパンダは異なる。精霊はわれわれが独自に研究開発したモデルであり、精霊の設計の大部分は自社で行った。われわれはこのモデルの知的財産権と意匠権を有している」とも述べている。
長城汽車では、精霊モデルの開発に3億元を投入し(ハード施設を除く)、市場のリサーチ、設計図の作成、デザインの定型化、金型の開発から完成車の整合性、信頼性、路上試験などまで完璧な研究開発フローを有しているとしている。
FIATはかつて2006年末の時点で、長城汽車に対して法的措置をとることを検討していると言明していたが、なぜ今になってようやく裁判所に訴えたのだろうか?
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