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例えば、「第十次五カ年計画」の期間中、都市環境インフラ整備の投資総額は4888億1000万元で、このうち都市ガス、セントラルヒーティング、公園緑化などが57.8%を占め、環境投資全体の33.7%となっている。

また、2004年は、人工景観や景勝地整備を主とする都市緑化が300億元余りと、下水・ゴミ処理の投資額を上回る結果になった。

「これら都市建設の大部分は、環境汚染対策とあまりかかわりがない。特に都市景観の整備は、本来、環境保全でも汚染対策でもない」。呉舜沢研究員の分析では、これらを環境に有益と見ることもできなくないが、環境投資そのものではないという。

環境投資の“虚構”をつくる第二の原因は、クリーン生産、循環経済、環境配慮型の重要プロジェクトまで環境投資とみなし、統計の間口を広げていることにある。

呉舜沢研究員がある省の「第十一次五カ年計画」における環境保全計画の投資構成を調査したところ、その内訳は、ガス管工事と屋内工事(127億8000万元)、ガス発電所建設(7億1600万元)、熱供給網工事(12億元)、石炭ボイラーのクリーンエネルギー転換(37億元)、ガソリンスタンド建設(7億5000万元)、旧式車両の切り替えと低イオウ軽油への補助、企業移転(103億元)、公園緑地整備(17億5000万元)となっていた。

「ガソリンスタンドの建設が、なぜ環境投資なのか。環境に配慮した建設または生産だからといって、そのすべてを環境投資の中に入れることはできない」。呉舜沢研究員は、さらに例を挙げて、次のように指摘する。水銀を使わない電池や生分解性トレーを生産する過程で、環境投資を行ったとしても、その投資全体を環境投資とすることはできない。また、CDMA端末が低電磁波(環境配慮型)だからといって、CDMA端末の生産投資を環境投資とみなすことはできない。

水増し分を除くと楽観視できない数字に

「無効とされる環境投資を除くと、中国の実質的な投資額は、公表されたデータが示すほど楽観的なものではない」。呉舜沢研究員は、都市環境インフラの環境投資の定義を変え、無効分を取り除くと、同時期の全国の環境投資は50%前後に圧縮されると述べた。つまり、環境保全対策とかかわりのない都市緑化、環境には有益だが本来は環境投資でないガス・熱供給、クリーン生産に伴う循環経済生産プロジェクトなどの投資が差し引かれる。

実質投資額を見ると、2002年、2003年、2004年の全国の環境投資はそれぞれ751億9500万元、789億4700万元、996億600万元で、同時期のGDPの0.71%、0.67%、0.73%、経済調査によるGDP修正後は0.62%、0.58%、0.62%となる。

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