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中国の環境投資は“見かけだおし”あいまいな基準が虚構を演出

2007年2月23日

ここ数年、中国の環境投資は総額からみるとうなぎのぼりに増えている。「第十次五カ年計画」期間中は、当初計画の7000億元という投資ニーズを上回った。にもかかわらず、なぜ環境保全の目標と任務はいまだ果たせないのだろうか。

国家環境保護総局の専門家がこのほど、その原因を「環境投資の統計基準があいまいで、さまざまな名目の投資が入り交じり、環境投資のデータの信ぴょう性が著しく損なわれている」と指摘した。例えば、2004年の実質環境投資はGDPのわずか0.6%だが、統計データでは1.19%となっている。

2月5日、国家環境保護総局環境計画院の呉舜沢研究員は「環境投資の基準が拡大解釈されていることが、主要汚染物質の排出削減など、環境保全の指標を達成できない主な原因のひとつ」と述べた。同環境計画院の王金南エンジニアとの共同研究で、環境投資の統計データにかなり問題があり、実際の投資額は統計データをはるかに下回ることが分かったという。

見かけ上の金額は十分のはずだが…

公表された統計データによると、中国の環境保全への投資は20数年間増え続けている。「第六次五カ年計画」、「第七次五カ年計画」、「第八次五カ年計画」、「第九次五カ年計画」、そして「第十次五カ年計画」の期間中、環境保全への投資金額はそれぞれ170億元、476億4000万元、1306億5700万元、3516億元、8395億1000万元に達し、GDPに占める割合も0.5%、0.69%、0.73%、0.89%、1.31%と増加した。このうち、2004年の環境投資は1909億8000万元で、GDPの1.4%(全国経済調査によるGDP修正後は1.19%)となっている。

一部の専門家は、環境投資がGDPの1.5%前後を占めれば、環境汚染を抑制して、生態環境の破壊をひとまず食い止められるとしている。この数字がGDPの3%前後まで伸びれば、環境の改善が可能となる。

統計データを見る限り、中国の環境投資はすでに環境悪化を食い止められる規模に達しているが、その目標は達成されていない。呉舜沢研究員は、多くの地方で、環境汚染対策と直接関係のない都市環境整備も環境投資として扱われ、環境投資の虚構を演出していることに気づいた。

現在、環境投資の統計に計上されているものに、主として(1)都市環境インフラ整備(2)工業汚染源対策投資(3)工場建設に伴う環境保全施設の設置の三分野がある。

環境投資の“虚構”は第一に、排水、セントラルヒーティング、都市ガス、公園緑化、環境衛生などに対する投資を、すべて環境投資としていることにある。

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