愛国主義映画は誰のもの?
2006年7月、愛国主義映画の著作権に関する裁判が行われた。原告は自社で製作した愛国主義映画を無断で使用されたと訴え、被告は、映画の放送は「公益」に則したものだと反論した。「愛国主義映画は誰のものか?」「合理的使用の範囲は?」-裁判の顛末から、変化する中国の著作権意識の一端が伺える。
愛国主義映画をめぐる双方の主張
2006年7月20日、北京市の人民法院で「愛国主義映画」に関する裁判の一審判決が下された。原告は、中国を代表する放送局の中国中央電視台(CCTV)で、被告は中国教育電視台(CETV)である。原告側は「中国教育電視台が愛国主義教育用映画(「チャージングアウト アマゾン」(ChargingOut Amazon)を無許可で放送することは、著作権の「合理的使用」の範囲を超えており、放送の際には製作者である中央電視台の映画チャンネル(CCTV-6)の許可が必要である。また、この無断放送によって中央電視台が被った損失は10万元に値する」と主張した。
これに対して、被告である中国教育電視台は、「自らは公益性の高い法人であり、この映画の放送も公益と教育の為であり、中央政府の指導・指示に従ったものである。したがって、放送は「合理的使用」の範囲内であり、もし教育電視台の放送が権利を侵害しているならば、中国の愛国主義映画の放送は誰が担うのか」と反論した。
そもそも中国では、1993年に愛国主義教育のため小・中学校で映画を活用することが決められており、2004年に製作されたこの「チャージングアウト アマゾン」も推薦映画の一つとして中国共産党の宣伝部門である中央宣伝部や教育部、文化部の指定を受けていた。
映画が放送された直後、中央電視台は中国教育電視台に抗議を申し入れ、交渉の機会を持った。しかし、双方の意見は平行状態のまま合意には至らず、司法の判断を仰ぐこととなったのだ。
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