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新しいGDPデフレーターの算出方法も「パーシェ方式」である点は同じ。しかし、基準年をこまめに切り替える連鎖方式を導入することで、デフレの過大評価が緩和されました。

名目値が同じなら、GDPデフレーターの下落幅が大きいほど実質値が大きくなります。2003年度の名目成長率は0.8%で変更はありません。従来の計算方法では、GDPデフレーターが2.4%下落していたので、実質GDPは3.2%(=0.8%−(▲2.4%))でした。新しい方法では、GDPデフレーターの下落率は1.1%にとどまったので、実質GDPは1.9%(=0.8%−(▲1.1%))となりました。

GDPは、日本全体の経済活動の状況把握に便利で重要な統計ですが、一定の約束事に従ってつくられています。その約束事が変わると、今回のように大幅に実績値が動く可能性がある点に今後も注意してください。

・連鎖方式
前年の価格水準を100として当年の価格を評価することを連続的に行って物価水準を算出する方法。新しいGDPデフレーターは、この連鎖方式とパーシェ方式を組み合わせて算出する。

一方、基準年を特定の年に固定し、基準年の価格を100として、その前後の価格を評価する方法を「固定基準年方式」と呼ぶ。従来のGDPデフレーターはこの固定基準年方式とパーシェ方式の組み合わせで算出していた。

新方式は、旧方式ほどデフレを過大評価しない。また、固定基準年方式のラスパイレス方式を組み合わせた方法ほど、デフレを過小評価しないとされている。ラスパイレス方式は、基準年(現在は2000年)の財・サービスの購入比率を使って、個々の価格を統合する仕組み。消費者物価指数や企業物価指数の物価計算をする際に用いられる。

「数字にだまされるな」は5回連載です。次回は、9月29日(木)に掲載する予定です。

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※この記事は、日経ビジネスAssocie 2005年2月1日号に掲載した記事を元に再編集したものです。

 

飯塚 信夫(いいづか・のぶお)

日本経済研究センター経済分析部長兼主任研究員。1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、千葉大学大学院社会科学研究科修了(経済学修士)。86年、日本経済新聞社入社。編集局経済解説部などを経て99年から日本経済研究センターに所属。経済予測・分析に従事。専修大学大学院経済学研究科客員教授なども兼務。

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