社会調査のウソ
アンケート調査は、調査対象や尋ね方によって異なる結果が…。鵜呑みにするのは絶対に禁物です。郵政民営化などをテーマにした衆議院選挙の話題がにぎやかですが、ここでは、昨年の参議院選挙をテーマにした調査を取り上げることにします。
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アンケート調査の結果は、実態とのズレがつきものです。図に示したように選挙直後に行った投票行動調査でも、実際の投票率と乖離した数字が出ています。
一つは調査方法の問題です。毎日新聞が行った電話調査は回収率が訪問調査より低くなるため、回答者層が選挙に行った人に偏りがちです。訪問調査をした読売新聞でもズレが出るのは、もう一つの理由として回答者が「投票に行かなかった」と正直に言えずウソをついた可能性が考えられます。例えば、黒人大統領の是非を聞く際、調査員が黒人の場合と白人の場合とでは結果が異なるでしょう。
企業でアンケート調査をする際は、質問内容や調査員の属性によって、回答者は見栄を張ったり過大・過少申告したりするという前提で、質問文を考え、結果を分析する必要があります。
調査バイアスを見抜く四つの視点
1.誘導的質問や強制的選択肢はないか?
アンケート調査では、直前の質問内容や参照記事によって、回答が左右されます。例えば、災害救助に貢献する自衛隊の写真を見た直後と、莫大な防衛予算などの報道に接した直後では、自衛隊に対するイメージが変わってきます。
下記の世論調査で、読売と朝日では自衛隊のイラク派遣延長の是非を問う直前の質問文が異なります。自説の展開に都合のよい結果を導き出そうとする誘導的質問が仕組まれていないかどうか、質問文をチェックする習慣をつけたいですね。
【読売新聞】(2004年11月世論調査)
Q あなたは、政府が、イラクの人道復興支援のために、自衛隊を派遣したことを、評価しますか、評価しませんか。
Q イラクで活動している自衛隊は、12月に派遣の期限が切れます。政府は、自衛隊の派遣を今のまま延長する方針ですが、あなたは、この方針を、支持しますか、支持しませんか。
【朝日新聞】(2004年10月世論調査)
Q アメリカがイラク戦争開戦の根拠とした大量破壊兵器について、アメリカ政府の調査団は、イラクは開戦時に保有していなかったとする報告書をまとめました。これに対し、小泉首相は国会で「アメリカなどによる武力行使を支持したのは正しかった」と発言しています。あなたは、小泉さんの発言に納得できますか。
Q イラクへの自衛隊派遣は今年12月に期限が切れます。あなたは、派遣を続けることに賛成ですか。
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