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精神科医が警告! ウソがつけないと鬱になる

2006年1月31日

(日経ビジネスAssocie編集)

オフィス街でストレス診療をしていて思うのは、「鬱な人はウソがつけない」ということです。

酒井 和夫(さかい・かずお)氏
ストレスケア日比谷クリニック院長。1951年、東京都生まれ。東京大学文学部卒。筑波大学医学部卒、同医学研究科博士課程修了、医学博士、精神科医。著書に『精神科って、どんなとこ?』、『ウソの研究−上手なウソのつき方教えます!』など。http://www.s-hibiyacl.com/

東京・日比谷のオフィス街でストレス診療をしていて思うのは、「鬱な人はウソがつけない」ということです。自分にウソをついてだますことができないんですね。

考えれば考えるほど深みにはまっていくような悩み・問題を抱えてしまっても、自分をだまして精神的に追い込まれる状態を避けられる人なら、鬱にならずに済みます。例えば、根拠はなくとも、「何とかなるさ」と自分に言い聞かせる。「とりあえず今日は発熱ということにして休もう」と一時的に逃避するわけです。鬱の人は、これが上手にできない。患者さんには「もっとウソをつこうよ」と声をかけたくなるケースがほとんどです。

今、社会は、携帯電話や電子メールの普及などで直接のコミュニケーションの機会が減り、ウソがつきにくくなっています。メールだと「言った」とか「聞いていない」という言い訳はしづらいし、携帯電話も着信記録が残るので「電話したけど不在で…」といったごまかしが利かなくなっている。しかも、企業の成果主義の導入で、周囲の人が皆ライバルとなり、人間関係はギスギスしている。精神衛生上、とてもよろしくない環境です。

そんな時代だからこそ、上手にウソをつく力がますます重要になっていると思います。ウソがつけないようではクリエーティブな仕事はできません。まずは上司に「そのネクタイいいですね」と古典的なヨイショから始めてみましょう。仕事はハードでも人間関係が良好ならだいぶ楽になります。

営業の進捗を問われたら、もし厳しくても「あと一押しで何とかなりそう」と前向きな返事をしましょう。同じ失敗をしても、その方が仕事に積極的に取り組んでいる印象を与えます。尋ねられるたびに「難航してます」と正直に答えるばかりでは「あいつは後ろ向きだ」と思われかねません。同じ案件で2度も3度も怒られることにもなります。

スランプに陥ったら、スポーツ選手がよくやるイメージトレーニングを取り入れましょう。仕事がうまく進んでいるシーンを思い浮かべ「自分は日々向上している」と毎日唱えてください。一種の自己暗示をすることで、気持ちの変化を実感できるはずです。上手なウソがあなたを救うのです。

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※この記事は、日経ビジネスAssocie 2004年2月17日号に掲載した記事を元に再編集したものです。

 

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