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人呼んで“温厚派”が語る「イライラしないコツ」

2005年9月20日

(日経ビジネスAssocie編集)

今回は、「この人がキレることはないだろう」と思える“温厚派”の方に話を聞く。登場していただくのは、東京スター銀行頭取兼CEOのタッド・バッジ氏と、野球解説者の関根潤三氏の二人だ。

タッド・バッジ / 東京スター銀行頭取兼CEO

結局キレても、いいことないよ。
「人間関係を壊さない」が基本

タッド・バッジ(L. Todd Budge)
1959年12月米国カリフォルニア州生まれ。ブリガム・ヤング大学卒業。在学中の79〜80年、宣教師として来日。一度帰国後、再来日。85年ベイン・アンド・カンパニー日本法人に入社。シティバンクや米GEキャピタルなどを経て、2002年3月東京スター銀行取締役。2003年6月頭取兼CEO(最高経営責任者)。著書に『やればできる』(徳間書店)。

「穏やかだ」と言われる私でも、イライラから取り返しのつかない失態をしたことがあります。日本で働き始めたころ、同僚の一人が私の仕事をメールで批判し、関係者全員に送るという事件が起きたんです。事実と異なる点があったため腹が立ち、相手を痛烈に責めるメールを全員に送ってしまいました。でも送信ボタンを押した後で、ふと我に返り「何てことをしてしまったんだ」と猛烈に後悔したんです。もう一度、同僚のメールを読み返すと、そこまでする必要はなかったと感じたんですね。

でも、いくら悔いてもメールは届いてしまう。手遅れでした。私は感情のままに行動し、相手との関係に傷をつけ、自分の未熟さをも露呈してしまいました。

それ以来、私は感情に任せた行動を慎んでいます。つい先日も、内部の人間から腹が立つメールが届きました。返信する必要があったので、メールを書いたのですが、どうも文面にこちらの悪意が透けて見えるような気がした。そこで送る前に、別の同僚に読んでもらったんです。すると、「ここはこう変えないと、読む側は気を悪くするよ」と指摘されました。そこで、メールを修正しました。お陰で、相手との関係をこじらせることなく、事態を切り抜けられました。

人とのやり取りでイラついたとき、私はまず自分を落ち着かせるように努めます。難しいですが、そう決心するだけでかなり違います。イラつきの原因となった事柄を「これは数日たっても自分にとって大問題であり続けるだろうか」と自問してみる。それでも収まらなければ、何もしないで一晩寝ます。翌朝には落ち着くことが多いですね。相手を問いただすときにも、冷静に質問を考え、直接聞きます。

ここまで気を使えば、人との関係を壊さずに済みます。ビジネスでは人間関係が最重要です。相手がだれであっても、尊敬と信頼を持って接するべきなのです。さもなければ、そのツケは必ず自分に返ってきます。今日、言い合った相手が翌日上司になったり、チームメンバーになったりする可能性もあるでしょう。

ビジネスより大切なのは家族との関係です。家族は一生つき合う相手で、長く関係を築く必要がありますから。私は、週末や月曜の夜は仕事を入れず、家族と過ごしています。これを東京スター銀行の行員にも勧めています。また、家族に対してイライラしたときは、我慢しすぎないようにしています。イライラがたまって容量を超えると爆発し、手に負えなくなりますからね。

感情をコントロールするもう一つの秘訣は、常に身体をコントロールしておくことです。体調を最高の状態に保っていると、感情を制御できるようになります。体調が悪ければ、どうしてもそれが感情として表れてしまいます。私は毎朝ジムで汗を流し、1日1時間は体を動かすようにしています。

next: 2 関根潤三氏「イライラが顔に出る選手は負け」

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