スピーチ上手になる五つのポイント
これまで、「1対1」や「1対少数」の場面での話し方を学んできた。最後に、プレゼンや発表など「1対多数」の場合を取り上げる。名経営者は総じてスピーチが上手だ。多くの人の関心を自分の話に引きつけるには工夫が必要だ。
ロゴス・パトス・エトスが大事
スピーチの目的は、自分の意図を正しく相手に伝え、望ましい行動を起こしてもらうことです。良いスピーチをするためのポイントを五つ話しましょう。
まず第1に、十分な準備が必要です。スピーチの目的を踏まえて効果的な構成を考えましょう。導入では「これから××についてお話しします」とテーマをはっきり話してください。最後にも「今日は××についてお話しさせていただきました」と言うと、印象に残ります。リハーサルも欠かせません。

茅島秀夫氏
プラップジャパン シニア・トレーナー
千葉大学卒業。プラップジャパン営業企画部にて新規クライアントの広報戦略立案やコンサルティング業務を担当。トレーナーとして、企業トップのマスコミ対応をアドバイスしたり、企業の危機管理に関するワークショップも手がけている。
スピーチがうまい経営者は、こうしたポイントを押さえています。日産自動車のカルロス・ゴーン社長は長期的な視点を感じさせるキラーフレーズの使い方が見事です。また、ソフトバンクの孫正義社長は説得力を感じさせる具体例や数字の盛り込み方が上手です。
2番目に意識すべきなのは「Logos(ロゴス=論理)・Pathos(パトス=感情)・Ethos(エトス=信頼感)」。ロゴスが必要なのは言うまでもありませんが、それだけで聴衆の共感は得られません。例えば個人的な体験など、感情に訴えるエピソードを開示してパトスも高めるべきです。自分が訴えたいテーマが、社会全体に与える影響を話すと広く共感を得られます。
また、話し手が豊富な経験や実績の持ち主だと、聞き手は最初からエトスを感じます。ゴーン社長と孫社長は両方ともエトスが高いので、聞き手の信頼を得やすい。初期エトスが低い、つまり第一印象で信頼感が低いと挽回は難しい。ですから、身だしなみは大事です。
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