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表情の基本は「確かさ」にある

2006年4月25日

(日経ビジネスAssocie編集)

NHKで40年間、俳優はもとより、大企業の経営者、歴代首相など、成功者の顔をメークしてきた岡野宏さん。最近は、企業のイメージアップの講師を頼まれることが多くなってきたという。表情作りのコツを聞いた。

岡野宏氏
元NHK美粧師。約10万人のメークを担当。2000年に退社した後は、政治家、キャスター、企業向けの外見講座の講師を務める。著書に『一流の顔』(幻冬舎)がある。

どんな世界でもトップに立たれた方は、やはり顔作りに独特の技のようなものを持っています。私がメークを担当し、おつき合いさせていただいた経営者の方で、印象に残っているのはホンダの創業者、本田宗一郎さん。

本田さんは、社内の表彰式で社長は壇に上がらず、表彰される人が壇に上がるようにしたとおっしゃっていました。なぜなら、こうすると表彰される人を社長が見上げる目線になり、相手を敬う、「感謝の気持ち」が自然と表情に出るからだそうです。普段は見下ろしていても、こういう場面では逆にすることで、社員は余計に感動するんです。

政治家では、人を怒ることが上手だった田中角栄さんが記憶に残っています。彼に怒られると、怒られた人全員がファンになる。なぜなら、彼の表情が的確だから。

角栄さんの怒った顔はすさまじい! 目をむいてガガガーッと怒る。でも、ちょっと間を置いた後、必ず怒られた人の肩を抱いて、にこっと笑うんです。「お前がかわいいから怒ったんだ」という表情を作ってから別れる。怒られた方は、そんなに真剣に思ってくれてたんだと感じて、もう命を捧げるくらいの信者になってしまうんです。

表情がものを言うのは、その「すごさ」じゃなくて「確かさ」なんですね。このポイントでこの顔を持ってくる。相手が希望しているものに、程よくマッチできるかどうかなのです。

だから、仕事のときは自分の素のままの顔でいてはいけない。その場に合わせた仕事用の顔を作りましょう。叱られたときも、素のままでいるからつらい。叱られて落ち込むようでは、仕事人として失格。まだ顔が作れていないんです。

しかし、人間の顔、表情というのは、何かの刺激がないとなかなか切り替わらない。例えば、アナウンサー。彼らは1時間のうちに、悲しい話から楽しい話までしなければなりませんよね。どうやって、表情を切り替えているのか。実は机の下で手をつねったりして、その刺激を合図にしているんです。

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