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呼吸はコントロール可能

緊張時は、自律神経のうち交感神経が過敏になっているので、副交感神経を優位にすればリラックスした状態になれる。だが、緊張の症状である心拍や体温などの変化は自分では止められない。唯一、自分でコントロールできるのが呼吸だ。本番直前の深呼吸は、カンタンにして極めて理にかなった方法と言える。

もう一つ、イヤな記憶を呼び出さないことも大切。体を動かすなど別のことに関心を向けると、悪い感情が薄らぐ。

もっと上手に決めたいならイメージトレーニングが効果的だ。サッカーを見ていてゴール前で思わず足に力が入るのは、「やっているつもりになる脳細胞」が働くため。これは運動中枢と言語中枢のそれぞれに存在する。プレゼンが上手になりたければ、上手な人のプレゼンを見て、「つもり細胞」を働かせると脳が学習する。仕事ができる人と接すれば、良い習慣や行動が身につくのだ。優秀な上司の下に優秀な人材が育つのは偶然ではない。

ポイント解説
脳医学、生理学に基づいた「本番に強くなる方法」

■緊張緩和策

  • 本番前に深呼吸をする
    自律神経が支配する体の機能のうち、呼吸は、唯一自分の意思でコントロールできる。呼吸を落ち着かせると、副交感神経が優位になりリラックスできる。
  • 姿勢を正す、体を動かす
    緊張していることばかり考えていると、過去の記憶を呼び出してしまう。別のことに関心をそらせば緩和される。

■事前の準備術

  • イメージトレーニングを取り入れる
    人の行動を見ると、脳の「つもり細胞(鏡細胞)」が活動する。上手な人を見て「つもり細胞」を働かせると自分も上達する。
  • 朝起きたら光を浴びる
    肉の一成分であるトリプトファンは、光の刺激で精神安定ホルモンのセロトニンになる。また熟眠ホルモンのメラトニン生成にも光が欠かせない。

高田明和(たかだ・あきかず)
浜松医科大学名誉教授

1935年生まれ。医学博士、生理学者。75年浜松医科大学教授。『脳にもっと栄養を!うつな気分は食事で治る』(ベストセラーズ)ほか著書多数。

「本番に強い人 弱い人」は毎週火曜に更新。次回は、5月30日(火)に掲載する予定です。

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※この記事は、日経ビジネスAssocie 2006年3月7日号に掲載した記事を元に再編集したものです。

 

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