「低価格ミニノート」

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

ノートPC分野で「低価格ミニノート」の販売が好調だ。台湾メーカーが昨年発表したミニノート「Eee PC(イーピーシー)」が世界的な人気に。これをきっかけに、限定的機能を持つ10万円以下のノートPCが注目されるようになった。現在も海外企業を中心に同市場に参入するメーカーが増えている。だが日本企業の中には、市場の行方を静観しているところも多い。

近年ノートPC分野では、小型化・低廉化を加速する技術環境が整いつつあった。例えばCPUの省電力化が進んだため、モバイル用途の小型機器でも高度な処理が可能になった。また安価に導入できる基本ソフトLinux(リナックス)が、一般人にも扱いやすい環境を整えたため、低廉化実現の選択肢も広まった。

そんな中、100ドルノートPC(通称)という概念が話題になった。これは途上国に教育支援を行うNPO(非営利組織)「One Laptop per Child」が提唱した概念だ。途上国の子供1人ひとりにノートPCを配り「それを持っていればどこでも学校になる」環境を広めることを目的としている。100ドルの販売価格こそ未達成だが、すでに実機も完成。昨年は米国などで「400ドルで1台買って1台配る」というキャンペーン販売を期間限定で実施した。

この活動がノートPC業界に大きな衝撃を与えることになる。低廉化の実現可能性を実際に示したからだ。このような製品が成立すれば、新しい市場も見えてくる。例えば途上国にいる「PCをまだ持っていない人たち」、そして先進国にいる「ライトユーザー」や「2台目のPCをほしがっている人たち」が新たな市場となるかも知れない。

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