しかしながら新大会の実施に当たって、いくつかの問題点もある。

まず他のユース系大会との競合が起こることが問題となる。幸い、ユース五輪の開催年はユニバーシアード(17歳以上28歳未満の大学在学者が参加)とは重ならない。しかし各競技団体では、ユニバーシアードの非開催年にも独自のユース競技会を実施している。また国内では夏期に高校総体(インターハイ)もある。ユース五輪を開催する場合、これらとの日程的な競合が避けられない。

また何よりも問題なのが収益性だ。競技性よりも教育性を重視する大会の性格上、テレビ・スポンサー・ファンなどから高い関心を得ることは難しい。その一方、開催費用はIOCが目論むほど安く上がらない可能性がある。2010年夏季大会の立候補受付では、IOCが上限として設定した費用3000万ドル(約32億円)を、各候補都市の計画が大きく上回ったとの報道もあった。

ユース五輪が世界のスポーツ界やファンなどの賛同を得て成功するかどうか。ロゲ会長の手腕が問われることになる。

もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年、鳥取県出身。電気通信大学を卒業後、CSK総合研究所で商品企画などを担当。1998年からフリーライターに。現在は新語・流行語を専門とした執筆活動を展開中。辞書サイト・新聞・メルマガなどで、新語を紹介する記事を執筆している。NPO法人ユナイテッド・フィーチャー・プレス(ufp)理事。

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