「日中独居」

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

高齢者の中には昼間だけ独居状態になる人も多い。同居者全員が仕事に出掛けるために、実質的な独居状態になってしまうのだ。主に介護の現場では、この状態を「日中独居」と呼んでいる。このような高齢者の中には、介護保険制度の要介護・要支援認定を受けている人も少なくない。ところが日中独居の高齢者に対する生活援助サービスが一切認められない地域もあり、それが問題になっている。

一般に日中独居の状態は、独居老人にも通じる問題を引き起こす。例えば高齢者が病気などで倒れた場合、その対応が遅れてしまう。また悪徳商法などの被害にあう可能性も高い。東京都のアンケート調査によると、悪徳商法が増えた原因として「独り暮らしや日中独居の高齢者が増えたから」とした介護関係者が87.5%もいた(東京都生活文化局2005年5月12日報道発表資料より)。

このような問題の中で、最近とくに注目されているのが生活援助の問題だ。「日中独居の高齢者が、介護保険に基づく生活援助サービスを受けられない」という事例が増えているという。しかもその受給基準に地域差が生じている。

生活援助とは、訪問介護(ホームヘルプ)で実施するサービスの1つ。訪問介護サービスには、食事・排泄などの「身体介護サービス」と、掃除・洗濯などの「生活援助サービス」がある。この訪問介護を利用する際に、生活援助のみを利用するケースも少なくない。2006年度の場合、訪問介護の利用者数のうち「生活援助のみ」を利用した人の割合は44.1%にものぼる(厚生労働省「平成18年度介護給付費実態調査結果」)。

もちろん、生活援助は誰でも受けられるサービスではない。まず大前提として、介護保険制度に基づく要介護・要支援認定を受ける必要がある。その上で「単身者」であるか「同居家族による家事が困難である人」について受給資格を認めている。

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