「第3次石油危機」

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

ここ数年、原油価格の高騰が続いている。そして昨年頃からこの高騰現象を「第3次石油危機」と呼ぶ人も増えている。国際社会はこれまでに2度の石油危機を経験した。これらは国際経済に大きな影響を与えたものの、ある意味では短期的な現象に留まったという側面もある。ところが今回の危機では、問題が中長期的に持続する心配があるという。需給逼迫などの構造問題が横たわっているためだ。

過去2回の石油危機を振り返ってみたい。

まず1973年には第1次石油危機が起こった。これは、同年10月に起こった第4次中東戦争(イスラエルとアラブ諸国の戦争)がきっかけとなった問題だった。具体的にはアラブ諸国が、米国などイスラエル支持国への対抗措置として、原油の値上げや減産などを実施したのだ。日本ではこれが原因でインフレが加速し、高度経済成長が終焉を迎えることになる。

そして1978年には第2次石油危機が起こった。こちらはイラン革命(ホメイニ師が政権奪取に至るまでの動乱)がきっかけだった。この動乱のためイランでは原油生産が中断。OPEC(石油輸出国機構)が原油価格を値上げした。これら2度にわたる危機の前後で、原油価格はおよそ20倍以上に跳ね上がった。

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