「フル電動自転車」

(もり・ひろし=新語ウォッチャー)

イラスト:小林商事

雑貨店やネット通販店などで、「フル電動自転車」と呼ばれる商品を見かけることがある。フル電チャリ、フルアシストタイプなどとも呼ぶこの自転車。厳密には原動機付き自転車(いわゆる原付)に相当することをご存じだろうか? だが実際には、普通の自転車として乗る人も多い。このことが、安全上の観点から問題になっている。

電動自転車には2種類ある。「電動アシスト自転車」と「フル電動自転車」だ。両者ともバッテリーとモーターを搭載しているため、見た目には大きな違いがない。実はこれらを区別するのは、人力と動力の比率(補助比率)だ。

一般によく知られる電動アシスト自転車は、人力と動力の比率が最大でも「1:1を超えない」ことになっている(道路交通法施行規則第1条の3)。つまり人がペダルを漕ぐ力に対して、モーターの力が超えてはいけないのだ。この比率は時速15キロ以上で少しずつ小さくなり、時速24キロ以上でゼロになる。高速走行時には「人力のみ」となるのだ。

この条件を満たす限り、法律上、電動アシスト自転車は「自転車」と全く同じ扱いになる。つまり免許も必要ないし、ヘルメットを着用する必要もない。また自賠責保険に加入する義務もない。自転車は軽車両の一種なので、原則として車道を通る必要があるが、標識で許可された場所などなら歩道も通れる。

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